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第147話 湯煙ちゃぷちゃぷ紀行 -6-

―……翌朝……昼近くだが、俺はとても、とーっても機嫌が良かった。 ああー、心と身体が満たされてる状態って、最高だな!! 全体が軽い軽い! ヤッハー! 朝はハウルが「流しっこ、中途半端でしたよね?」と言って俺の背中洗ってくれるし、いやはやこれまた絶妙な洗いで最高でした。 そして今度は温泉を堪能したよー。 気持ち良かったの一言だけど、シンプルにそれしか浮かばないから……ま、勘弁してくれ。 そして俺も今後、この温泉を利用したくなったのは確かだ。 ……そんな上機嫌な俺の元に、トコトコとどこか不機嫌なグレーズ女史がやって来た。 ここでもまた俺は想像してしまうが、もしグレーズが普通の人の姿ならば、彼女には悪いが疑いと怒り……で、とてもぶちゃいくに顔を歪めていた事だろう……。 そんな印象が俺の中からプクリと湧いてきた。 まぁ、ハウルは今は温泉利用の料金を支払い中で、グレーズは厩から連れて来られながらまだ自由の身だった様だ。ちなみに施設利用は割り勘な! そしてグレーズは俺を上から鋭く見下ろして、自分の主人のに対する疑問を俺に質問してきた。 『……ハウル様の雰囲気がいつもと……違います……。とても、とっても上機嫌……。私と遠乗りするより……。…………何かしたのですか、人間?』 「…………さぁ? ナニしたんでしょぉ? あははー」 いぶかしみながら少し咎めるようなグレーズの質問を軽く横に流して、俺はそんなグレーズにニヤリ笑いを決めたのだった。

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