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第150話 発進!カタツムリ商隊! -3-

「それでは、今から軽く説明をするから。 ……今日は野宿だけど、明日はシーフィールムの宿に泊まれると思うから、そのつもりでー」 そうか……今日は野営か。 「まぁ、そんな危険地帯ではないから……。野営の見張りは乗り込むコンテナの組み合わせで順繰りにしてもらうから。 それと、この組み合わせは今後も色々な所で活動する度に適応していくから、その時は素早く対応をお願いするね」 言いながらエメルは俺達をぐるりと見てきた。事がスムーズに進むのを望んでいるんだろうな。俺もその方が良いけど。 「野営予定地まで、特にどこにも止まらないから、飲食は各自自由に。トイレはコンテナ内に有るから、安心して利用して! それと備え付けで水は沢山あるから。あと、一応で携帯食があるから。それを食べても良いからねー。あ、料金は発生しないから! でも、食べたら教えて。補充するからさー。 ん~~……では、出発前に、買い物に行きたい人ー!」 エメルの声に誰も手を上げなかった。……ってことは、みんな準備万端って事だな。 「……そうか。大丈夫なんだね。それでは、荷物と一緒に奇数の所にそれぞれに乗り込んでね。一部、仮眠も出来る寛げるスペースがあるから、そこも自由にしてくれて構わないよ」 そう言い終わってから、エメルは「では、組み合わせを発表しまーす」と口にしてから、瞳を輝かせてニコリと微笑んだ。 あ。この違和感……。何か来るな……。 「では、まず先頭には僕とディル」 ……ま、そうだな。そうなるな。 「次の……3番目には、グリンフィート君とシュトール君ね。そして最後尾の5番目にはアリエント君とアサヒ君でお願いするよ! んじゃ、それぞれの場所に乗り込んでね~。ではでは、一時、かいさ~~ん!」 …………ぅおい! エメル、また楽しんでるだろ! 俺は何となく、ソロソロと視線をグリンフィートとシュトールへ向けた。 だってさ、この前……自己紹介し合った二人は何だか暗黒物質を空気から生成してたからさ?気になるじゃないか……。 「……宜しくな」 「ああ、宜しく……」 ……あ。れ? 妙な暗黒物質が……出てない。 お互い探り合ってるぎこちなさは有るっぽいけど、まだ慣れていない間柄なら当然な空気だよな。 そんな雰囲気を醸しながら、グリンフィートに続いてシュトールが3番目のコンテナに乗り込んでいった。 これはこれで良い傾向……だよな。だってチームで動くしさ。うん。 俺がグリンフィートとシュトールの変化にそう結論付けた時、後方からアリエントに声を掛けられた。 「アサヒ、早く乗れ」 「あ。うん。アリエント、宜しくなー」 「おう、宜しく」 荷物は後ろから、人は横から乗り込む仕組みで中は確かに寛げるスペースがあり、壁で仕切られていた。この壁の向こうに荷物があるのか……。何の荷物かは知らないが……。 中に入れば、確かにエメルが言っていた作りになっていた。まるでキャンピングカーの雰囲気だな……。 俺がそんな確認をしていると、エメルの声が天上から…… 「んでは、しゅっぱ―――つ!!」 多分、連絡とか用かなと思う。 そんなエメルの声でカタツムリコンテナは動き出して、遂に俺達はシーフィールムへと出発したんだ!

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