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第158話 治療とステップアップお勉強会 -6-
……トゥは夢精してたのか。元から精通はしてたんだな。
そして吐精が終わり、俺はトゥに聞いてみた。ここ、重要だかんな!
「トゥ、気持ち良かった?」
「……良かった! スッキリした!」
「そうか。なら、良かったな。……そうだ。次から、粘つく白いの……"精子"を射精する時は"イク"って言いながらすると良いよ」
「"イク"? うん、分かった」
そう教えながら、俺は射精し終わったトゥのペニスから残滓を搾り出し、「最後はこうして搾り出して掃除するんだよ」と教えてやった。
そしてその搾りたての残滓を、俺は授業料代わりとしてチュルリと頂いた。うーん、プルンプルンでホンノリ魔力の感じ。アッサリ味で、俺は結構好きな味かも。
俺の口内に消えた己の精液を見たトゥは、顔を一気に真っ赤して「俺の、食べちゃ……。だって、シッコ穴から……」と言いよどんでしまった。うん、可愛い。
俺はそんな彼の言葉を無視して、行為で浮き出た汗で額に張り付いた前髪を整えている時に、傷を発見してしまった。
「額にまだ傷が……。……ん……」
「……アサヒ……?」
俺はトゥの汗ばんだ額の傷に口付けた。そして舌先で軽く汗ごと肌を舐め、治癒魔法で傷を完全に消した。
「さ、これで完全に怪我の治療とオナニーを教えるのは終わりかな?」
「終わり?」
俺の頬にスリスリと柔らかな自身の頬を摺り寄せ、トゥはそこに口付けをすると、俺から離れた。
そして顔を真っ赤にして、トゥは俺に礼の言葉を述べてきた。
「…………アサヒ、……オナニー……教えてくれてありがとな……!」
「おう」
はにかみながらスッキリとした風のトゥを見て俺は満足感を得て、自然に笑みを作ってトゥに答えていた。
トゥはそんな笑みに一瞬だけ笑顔を向け、……この言葉を口にした。
「そうだ。ちょっと待ってろ」
そう言って素早くフンドシを整え、服を拾うとどこぞに去っていったトゥ……。
……とりあずオナニーを教えたけど、段々好みな形に変化していくだろうな。
俺がそんな事を考えながら色々な後処理をしていたら、「アサヒ~」と言いながらトゥが俺の元に戻ってきた。
見れば、何やら袋を振り回している……。
「この薬草! お礼にやる! クッキー美味しかった。それに……怪我の治療と、教え貰った事へ感謝の気持ちだ」
トゥから差し出された袋を、俺は「ありがとう」と受け取った。
「この薬草はとても効くぞ! アサヒの治癒魔法も高いレベルに感じたけど、この薬草だって負けてない代物の筈だ」
「そんなとても良い物そうなのを……良いのか?」
「良い! 薬草でお腹は膨れないしな。一旦、金に換えなきゃいけないし。……そうだ、これは売ってもなかなか金になる。俺の部族もコレを売って結構な金を得ているみたいだ」
「そうか……。ありがとな、トゥ」
「おう!」
……"クッキー"の言葉に何となく、餌付けをしてしまった感が……。
それにしても、かなり良い薬草を貰ったみたいだな。王都に帰ったらリンデルに見せて、この薬草の事を聞いてみよう。
「それじゃ………………またな! アサヒ!」
「ああ、また、な……」
そしてトゥは俺にニカリと笑顔を向けると、森の闇へと走って行ってしまった。
「……次に会う時は大人の儀式が終わったトゥ、かな?」
本当にトゥが俺の元を訪ねてくるか分からない。
分からないけど……。
「知り合いが出来てく、ってやっぱ良いなァ~」
俺はそんな平和な独り言を、既にトゥが消えてしまった方向を向いて呟いた。
「―……さて、行くか、アサヒ。俺達の時間だ」
アリエントは掛けていた毛布をどけ、寝ていたソファーから立ち上がるとその場で大きく伸びをした。
そして酒の抜けは良いらしく、良い感じに色々落ち着いている様だな。
そう、エメルとディル、グリンフィートとシュトールが終わった今、ここからは俺とアリエントが見張り役の時間なのだ。見張りは交代制だからな。
そこで俺はアリエントの声にすぐさま立ち上がり、腰にニ剣を佩いてアリエントへ向き直った。
「そうだな、宜しく、アリエント」
アリエントも俺の言葉を受けて一つ頷きを見せ、コンテナの扉を開いた。案外冷たい夜気がコンテナ内に入ってきた。
「闇色が深くなるほど、魔物の動きは活発になる。エメルはこの野営地を比較的安全そうに言ったが、注意するんだ、アサヒ」
「……俺達の時間が一番活発そう、って事?」
「そうだな。まさに"深夜"の時間帯だからな」
俺はこのアリエントの言葉に、トゥの描いたあの魔物を思い出した。
"ブラック・ツヤモージャ・ストロングホーン"……。
名前がアレな感じだが、厄介そうな魔物っぽいんだよな。まぁ、名前なんて、最初に付けた奴のセンスが全てだから、しょうがない。その魔物を最初に名前を付けて呼んだ奴のセンスが"アレ"だったんだ……。うん。
「さーて、見張り仕事だ」
「………………」
俺はアリエントがコンテナから出て行く姿を見ながら、佩いたばかりの自分の腰のニ剣を強く意識した。
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