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第19話 独りと独り -1-
何だろう……唇に冷たい物が押し当てられている様な……それに身体が変にだるい……。正直動かない……。
それに重い……重くて息苦しい……。
まさか、霊的な何か!!? 南無~!南無阿弥陀仏~~!!
……ああ、俺はここのフレーズしか知らない……!
そうだ!確認するんだ……! 怖いけど、確認するんだ、アサヒ!!
俺は確認する為に眠るのを止めて、瞳を開いた……。
「……ぅ……ぁ…………?」
「……あれぇ? 水色くん、気が付いたんだぁ……?」
そこで俺の目に飛び込んできた……ってか、すげぇ顔のアップでいたのは、少年だった。
……急なアップは心臓に悪い! コイツが美少年でも、心臓に悪い!!
「お前……は……?」
「……んふ、訳わかんない鍋の液体で身体はドロドロにされて、その後泉に投げ捨ててくれちゃって……僕這い出るの大変だったんだよ?」
そう言って少年は、跨った体制のまま俺の胸に頭を乗せて身体を密着させてきた。
少年の説明を聞きながら俺は、もしやと思い始めた。
「……お前……あのオブシディアンか……!?」
「あーそうそう、その名前でも呼ばれるなぁ……。
でもね、僕は"アビ"、って名前が有るんだ。……水色くん、君の名前は?」
やや上体を起こして、アビは俺の名前を聞いてきた。
"水色くん"が何となく気に成ったから、俺は素直に名を名乗る事にした。
「……アサヒ……」
「んじゃ、アサヒ、僕に生気ちょうだいよ。君のせいで、僕、ご飯がなくなっちゃったんだ」
そう言うとアビは俺の口内に舌を入れてきた。
あまりの速さに、俺はなす術が無くアビの行為を受け入れてしまった。
「んむ……!?」
「ンぁ……んン……」
俺の中から、口内へ何かが溜まっていき、アビが舌を使ってそれを吸収しながら俺の口内を蹂躙していく。
アビのこの行為のせいか身体のダルさが増して、今の俺はただベッドの上に身体を投げ出しているだけの様な状態だ。
「んぅ……ふ、ぅぁ……」
「アサヒ、そんな表情しちゃって……生気吸い取り過ぎちゃいそう……」
「……ぅ……ぁ……ッく……てめ……ッ……はぁ……はぁはぁ……っく……」
息が荒い……。
身体が酸素を欲しているのに、喉の部分で絡みついて上手く摂取出来ないもどかしさに俺は苦しんだ。
浅い息を繰り返しながら、俺は覗き込んでくるアビを見上げた。
口角から涎が溢れているけど、それすら拭えない。
アビはそんな俺の涎を指で掬うと、俺の唇に塗りつけてきた。
「アサヒ、苦しいの? 息、し辛いの?」
「……み、見れば分かる……だろ……」
「じゃぁ、気道は確保してあげるね。死んだら生気貰えないもん」
そう言うとアビは俺の喉元に手を置いた。
一瞬、暖かいものが広がり、俺は呼吸がだいぶ楽になったのを感じた。
「おま……あのトロール相手に……こん……な事してた……のか!?」
「ええ? してないよ? トロールには手をかざすだけー」
「何で俺は……」
「アサヒの波長、くるくる色が変わって面白いんだぁ……。味も色んなのがあって、美味しいよ?」
アビはそう言いながら今度は俺の服を脱がし始めた。
器用に俺から服を剥ぎ取っていく。
晒された肌は僅かに汗ばんでいて、外気によって冷えていくのを感じた。
そんなアビはゆっくりとした手つきで俺の肋骨の辺りをなぞっている。
「な、にを……」
「そんなの決まってるじゃん? ……もっといっぱい頂戴よ……。僕、ここまで来るのに結構"力"を使ったんだよ?」
そう言いながらアビは俺のペニスに舌を這わせ始めた。
チュプチュプと音を出して俺の物をペニスを含んできた。
俺は何となく身体のダルさが軽減された様な気がしていた。
多分、アビが一定の距離で近くに来ると、身体がダルさを覚えるのかもしれないと俺は思った。
そしてやがてアビは俺のペニスを手に取ると、自身のアナルに宛がい、ゆっくりと身を沈めてきた。
「はぁ、あ……ぁ……ッ……ンンッ……!」
アビの中にゾワゾワとゆっくりと俺のペニスが飲み込まれていく様に、俺は自身に熱が集まるのを感じた。
「く……ぅ……」
「んひゃ!? アサヒ……、まだ太く……しないでぇ……」
僅かに震えながら、アビは俺を見てきた。
上ずった声が俺の耳に届く。
「んぅ、うう……ぅ。は、入ったよ……」
「アビ……キツ……」
「う……んぅ……う、動くよ……」
そうしてアビは俺の上で動き始めたんだ。
「あ、ああ……すごぃ……本当に色んな"色"を持っているね、アサヒは……!」
俺の中には……まぁ、一万人のデータが入っているから、そりゃぁ色んな色が出てくるんだろうな?
アビはやがて自分で好きなところを段々と自ら当て始めた。
……まぁ、スライムの能力で更に色々しても良いけど、とりあえずアビの動きに合わせて俺も動く事にした。
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