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第20話 独りと独り -2-

「き、きもちいいぃ……アサヒッ……! もっと頂戴……!」 「はぁ……アビ……ッ」 俺はその時、遠くの物が急に近くに来て、"カチリ"と俺の中で何かが嵌る感覚を味わった。 そしてその余波で身体が僅かに痺れているのを感じた。 「……あ、ああああぁぁぁああぁ!!!?」 その時、急に目を見開いてアビは絶叫した。 「ひ、ああぁあ!? あさ、あさヒ! 何で浄化の術が……つかえ……ッ!!? あぅうう!!?」 前かがみで俺の胸に手を付き、アビは急激な変化に酷く戸惑っていた。 どうやら俺はそんな浄化の術も使えるらしい。 ……もしかして、さっきの感覚がそうなのだろうか? 瞳をぎゅっと閉じ、まゆを寄せ下唇を噛んでアビは体内から浄化される苦痛に耐えているようだった。 しまいには涙と涎が俺の腹の上に落ちてきた。 「ぬ、ぬくぅ! もう、抜く!」 「……へぇ、浄化……される……から?」 「そ、だよ! 僕は今の僕が良いんだ!!」 自分の力では俺の術が抑えられないらしく、アビは腰を上げ始めた。 そこで俺はアビの身体を浮かせないように腰に手を置き、抑えた。 「や、やだ! 抑えないで!」 「せっかくだから、浄化されとけよ……」 「何で!?」 「その方が……色々良いだろ?」 「僕は良くないよ!」 涙目で眉を吊り上げ俺を睨んでくるアビだったが、力では俺の方が上らしく騎乗したまま動けずにいる様だった。 「だ、駄目ぇ! 僕の力が浄化されちゃぅ!! 抜いて……!!!!」 俺はアビの言葉には耳を貸さず、下から俺に跨っているその腰を逃げない様に押さえつけながら下から突き上げた。 「ひ、う! あう!」 俺の突き上げに合わせて、アビのペニスがブルブル動き、辺りに溢れ出るものをシーツに飛ばしている。 「も、ぉ、やだぁ……!! ぬい、て! ぬいてよぉ!!! あぁぁあぁ!!!」 「駄目だよ」 そうアビに答えて俺はそのまま上体を起こし、今度はアビをシーツの上にそのまま押し倒した。 急に下に押さえつけられて、アビは「ひぅ!」と声を上げてきた。 俺は体重をかけ、更にアビの奥に何度も侵入する。 アビの中の蠢きが俺の欲望に拍車をかけた。 「……どうした? 気持ち良くない? 最初は"気持ち良い"、って言ってただろ?」 「えぅッふえ……ッ」 「アビ?」 「あさ、あさひゃ……んんッ……」 泣いていた瞳を開けて、アビは口角から出ている涎を気にしながら俺に話しかけてきた。 「ん? 何?」 「……じょ、浄化は嫌で苦しいのに……気持ち良いんだ……僕……僕……はぁ……はぁ……」 「アビ……受け入れちまえよ……」 「や、やだ……!」 「……いいから」 そして俺は泣くアビにこれ以上何も言わせない為に、彼の口を塞いだ。 最初は少し抵抗してきたけど、結局アビは泣きながら俺の行為に答えてきてくれたんだ。 それからアビが落ち着いたのを見計らって俺は再び挿入を再開した。 「……もう……良いよ……ほとんど力が残ってないし、ア、アサヒなら……」 「……アビ……」 俺はそんなアビに唇を落とし、なるべく優しくしてやろうと思ったんだ。 急にこんな事になって、俺も混乱してるけど、アビの方がもっと混乱しているんじゃないかな? 今までの自分を捨てなきゃならないんだもんな。 俺はアビの滑らかな肌に舌を這わせながら、アビの好きな場所を探る。 中はさっきアビ自身が騎乗した時に彼の感じる所は大体分かっているから、俺はそこをわざと攻めた。 「アサヒ……もっと、もっと強く……して? 色々考えられないくらいにして……」 「…………分かった」 涙声を上ずらせてアビは俺に話しかけてきた。 そこで俺は彼の望む通り、アビの感じる所を攻め立てた。 グチュグチュとした水音が俺達を中心に広がり、視覚と合わさってとても淫靡に感じられた。 そんなアビは俺の動きに合わせて、泣きながらしがみ付いてくる。 アビのアナルがキュウキュウとしまり、俺を更に昂ぶらせ、彼を強く攻める道具にした。 「アビッ……そろそろ……ッ……」 「ん、んンッ……良いよぉ……アサ、ヒッ! な、中で……」 そして俺はアビの言う通り、彼の中に自分の欲望を吐き出した。 アビもまた、俺へとビクビクと白濁したものを溢れさせながらぐったりとしていた。 俺は腹に飛び散っているアビの精液を手で掬い、舐め取った。 ……まぁ、悪くない。結構美味い。 俺はアビからペニスを抜き、彼を見た。 そんな彼は肩で息をしながら、呼吸を整えている様だった。 ペニスを引き抜いた所から、俺のモノが溢れ出ていた……。 まぁ……一応軽く処理をしておく。 アビは一瞬驚いた様だが、身体が思うように動かないのか、ぐったりしていた。 そして処理を終えた俺はそんなアビの横に身を横たえて、彼を引き寄せてとりあえず瞳を閉じたんだ……。 「……そ、そんなぁ……!!!」 「……? ……アビ……?」 俺はアビの悲壮感のこもった叫び声に、眠りから覚まされた。 そして俺の目に映った、浄化し終えたアビは…… 10歳ぐらいの子供の姿になっていた……。 まぁ、俺を襲ってきた時は見た目16歳位だったけどな……! 「浄化し過ぎじゃないか!? アサヒのばかばかばかばか! 無限底なしばか!! 何でこんな姿に……! あの姿になるのに、どんだけ時間が掛かると思ってんだよぉ!!! 生気いっぱい貰うとかじゃ、駄目なんだぞ!!!?」 悪態をつきながら、アビはわあわあ俺の腹の上に跨って泣き散らしている。 あーあー、さっきまで可愛かったのに……あーあーあー。 「……じゃぁ、何が必要なんだよ……」 「……こうさ、感情のドロドロした深くて暗い……そう、"欲望"だよ……ふふふ……」 アビの頭を撫でながら聞いてみた。 すると、急にイキイキとした表情でアビは俺の問い掛けに答えてきた。 けど、直ぐに少し困った表情で俺を見てきた。 「…………そういう"欲望"の隙間に入り込んで僕は生きてきたんだ」 「……………………」 「……もう、浄化されちゃったけど……」 「……何でそんな力が要るんだよ……」 「……仲間を呼び寄せるんだ……一人は……つまらないもん……」 俺の質問に、アビは俯いて寂しそうに言ってきた……。 俺はそこでトロールの隠し部屋の内容を思い出した……。 ……あの、膨大な量の物言わぬ石達を……。 そして、以前の俺自身を。 「……ほら、アビこっち来いよ」 「アサヒ?」 「俺は宝石とかじゃないけど、今はお前の傍にいてやるよ」 そして俺達は向かい合って再び寝た……。 ここのベッドはシングルでも大きめに作ってあるらしく二人でも十分余裕なんだ。 冒険者が多いから、色んなタイプに合う様に最初から作っているのかもしれないな。 まぁ、何にせよ今はおやすみ……。

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