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第52話 気持ちの行方 -4-
連れ行かれた個室は一~三人位で調べ物が出来る部屋らしく、シンプルに机と椅子が置いてあった。
しかも何部屋か個室は周りに存在しているのだが、現在利用者は居ない様で、部屋は選びたい放題だ。まぁ、どれも作りは一緒だと思うけど……。
そこで俺達は再び唇を合わせ始めた。
さっきまでしていた事で残っている興奮が、更に行為を加速させていくのが分かる。
俺達はいつの間にか自然に舌を絡めた。それにより、お互いの口の間に、透明な糸が繋がり出来るまでそう時間が掛からなかった。
そして……
「……アサヒとシたくなってきた……」
「!?」
急な言葉の衝撃に、俺はグリンフィートの声が遠く感じた。
な、何を仰っているんですか、勇者様は!
「俺ね、どっちかって言うと、こっちなんだ……」
「……ぇ、ちょっ……?」
さっきまでキスしていたから、顔が近い。少し顔をずらして、グリンフィートが俺の耳元で囁いてきた。
そして俺の動揺はよそに、グリンフィートは俺のズボンに手を忍び入れてきた。
更にその指先が俺の尻の割れ目に滑り込んでくるのに、俺は着いて行けないで為すがままだ。
「……アサヒのここ、ヒクついてる?」
「ぐ、ぐりんッふぃー…………!?」
「…………ここにさぁ……挿れて良い?」
勇者が魔王に! 勇者が魔王にクラスチェンジしてる! 裏勇者!
グリンフィートの耳元の声と息にクラクラしてきた……!
しかも俺のアナルに指で浅く挿抽を繰り返して擦ってくる。このもどかしさはマズイ……!
「~~!!」
「……今ので軽くイッたの? 感度良いのかな?」
「はぁッはぁッ……! ん……はぁ……はぁ……」
ど、どうしよう……この裏勇者様とのこの状況……!
でも、声が出ないんだよ……今ですらグリンフィートは俺のアナルを擦り上げて刺激してるんだよ!
「……ここまでするつもり、無かったんだけど……アサヒを見てたら、気分が変わったよ。俺としようよ」
「……はぁ……はぁはぁ……いぅ!?」
「アサヒ、良い返事が欲しいなぁ……ねぇ?」
「わ、分かった! する! する! しよう? ……だから……!!」
「だから?」
「指、一気に増やすな……!」
「……は、ははっ……了解。アサヒと出来るなんて、俺嬉しい」
と、とっさに流された感は否めない……。う、裏勇者め……!
「……へぇ? アサヒ、意外と筋肉あるんだ? ここのラインとか、良いね」
「ひ……ぁ?」
俺にそんな事を囁いてきたグリンフィートだけど、グリンフィートの方がさすが鍛えていると思える身体だ。
細そうなのにまったく無駄が無いしなやかそうな肉体をしている。
今、俺はグリンフィートに服を脱がされている……って、やっぱり何この流れ……!
しかもあっさり脱がされて、俺は今何も纏ってない……。
そして床の上にグリンフィートが自身のコートを敷いて、俺達は今その上に居る……んだけど……。
「じゃ、この上でやろうか」
「え……でも、これだとグリンフィートのコートが……」
「いーんだよ、大丈夫。だってアサと今ヤる方が大事だしさぁ……他に何かある?」
「……無い……」
「だろ? アサヒの服は裾が長いけど、こういう用途は向いて無いだろ?」
「まぁ……」
そんな会話をしながらグリンフィートは俺に指を這わせている。
指を増やしてジワジワと慣らされているけど、やっぱりまだ慣れない……。
「んじゃ、こっちで挿れ始めるよ……」
「う、うん……」
そう言いながらグリンフィートは指からペニスに俺の中に入れる物を変えてきた。
指とは違う、物の圧倒的な差に俺は一瞬ないた。
グイグイと俺を押し進んでくる圧と、それを締め付ける内圧の震えが俺達の頭の中を白くして行く。
やがて根元まで到達したのか、グリンフィートが俺に声を掛けてきた。
「はぁ……は……ぁ……アサヒ、そんな締めないでよ……。気持ち良いけどさぁ……?」
「……んなの無理……よゆ……ぅ無い……!」
本当、余裕無い! だって、後ろはハウル以来だもんな!
俺の中に侵入してくるグリンフィートが熱くて堪らない……!
「……動くよ……」
「え? ……あ、ひゃ……あッ? はぁ……!?」
その声を同時にグリンフィートは腰を使ってきた。
やばい……意識が持ってかれる……!呼吸と嬌声しか上げられない……!
「……ここ、好き? 当てると締まる……アサヒ……ッ」
「わかん……なぃ……けど、気持ち良い……! 気持ち良い、グリンフィート……!」
「……んッ、分かった……アサヒ、もっと良くしてあげるよ! ほら!」
「ぁ、ああ、ぁあ……! ん、ぁッ……あ!」
そう言うと、グリンフィートは確かに俺の好きな所を突いて来た。自然、俺の嬌声が増していく。
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