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第53話 気持ちの行方 -5-
「声、大きくなった……アサヒ、良いんだろ?」
「ぐりんふぃ……と、気持ち良くて、もぉ、俺……わかんないぃ……! 良いよぉ……!」
「うん、アサヒ良いよ……声、好きなだけ出しなよ」
グリンフィートのその言葉通り、俺は好きなだけ声を出した。
もうさ、加減が分からないんだよ……挿れられてるって全てに興奮してそうでさ、逆の時とは得られる快感が違うんだ。
「アサヒ……そろそろ……でそ……ッ」
「グリンフィート……このま、ま、なか……中にして……!」
「アサヒ……!」
「ひぅ……!!」
俺の言葉にグリンフィートのが更に質量を増した。
そして、俺の中に熱い物が流れ込んでくるのが感じられた。
俺もそれに引きずられる様に、自分の先端から吐精した。
お互いの勢いが止まらないで、放出されていく。
「グリンフィートの……ッ! 入ってきてる……! ビクビクしてる……!」
「は、ぁ……はぁッ……中にされるの好きなの?」
「す、き……! おぃし……い……」
「……美味いの? ……へぇ?ふぅん?」
俺の答えにグリンフィートは満足気に俺を見ながら、頬に掛かった俺の髪の房を指先に絡めて遊び始めた。
床を背に、浮かした腰の中心にはグリンフィートの物が俺を突き刺している。
中出しているペニスの律動が背筋を辿って、俺の脳内を白くする。
霞んでいる意識の中で、グリンフィートの魔力が"美味しく"感じるのだ。
「あ……あぁあ?」
「なら、アサヒのここもパクパクしてる。何か食べたいの?」
「先端、そんな……いじったら……! ひろげンな……!」
「あれ? 何か出てきたよ?涎かな? ダラダラだなぁ」
「違うぅう……!」
「俺の指でも舐める?」
「え……ぁひうっぁ!? そんな……指でそんな内側さわ……んな……!」
「こうかな? 美味しい?」
内側をこんな風に触られるなんて……!何か、いつもと違う感覚が上がって来る……!
「すっごい溢れてきてる……ピクピクしてるね」
「……はぁ……! はぁ……も、だめ……で、出る……指で、出る……! 出したい……! ゆ、指、退けてくれよ……ッ」
「いい~よ? ただ、アサヒが扱きながら出してよ」
「……ンッ……! はぁ……ハァ……はぁ……」
もう、訳わかんない……出したくてしょうがない。それしかない……!
自分のを握れば、先端から溢れ出ているものが直ぐ俺の手を濡らした。
熱くなっているのを自分で好きな様に扱く……。ストロークさせる度に、水音が増していく。
そこにグリンフィートの舐る様な視線を感じながら、俺は自分の陰嚢が上がって来るのが分かった。
「……ぅあぁ……ッ!」
―……ビュグッルルルル……!
「うん、自分で出したね……。じゃぁ、ご褒美あげる」
「……は……ぁ……ぐりん……うごっ……かな……いで……早い……早いよ……」
「うん? アサヒの好きなところ、今からたッくさんグリグリしてあげるよ」
「~~~!!?」
自分で得た今の快楽に、グリンフィートから与えられる快楽が加わり、俺の中で何かが凶暴に暴れだした。
身体のどこから息をしているのか全く分からなくなる。
自分の嬌声が遠いような近いような……感覚が麻痺しだしたのが分かった。
ただ、グリンフィートから与えられる快楽だけが鮮明に俺の中を駆け巡っているんだ。
「……ん? アステアから連絡……?」
「はぁ……はぁはぁ!!」
「こんな時に……はぁ……」
一瞬グリンフィートの動きが緩んだ。俺はそこで快楽へのもどかしさを感じながらも、息を整える事にした。
良く見るといつの間にかグリンフィートの近くに白い球体が浮いていた。
そしてグリンフィートがそれを突付くと弾ける様に消えた。何だ……それ……?
「はぁ~はぁ~……」
「アサヒ、泣きそう?それとも、泣いてるの?」
「はぁう! まだ……! 動くな……」
「……アステアは後でも良いや……アサヒ、もっと楽しもうか?ほら……」
「ひ、ぁ、あ!」
「……これ以上あんま声大きいと流石にマズいかも……少し我慢して」
「もぉ、無理、押さえらんな……ひあ!」
……グリンフィートに衰えが感じられない!これはそうだ……えっと、多分……絶倫、ってやつだ!!
しかも何この攻めキャラ。最初の無邪気そうなグリンフィートとは違う。
やっぱり、お兄さんちょっと……いや、かなり君の将来が心配だな!!
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