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第54話 気持ちの行方 -6-

「ひぅ! はぁッはぁ……!」 「アサヒ、気持ち良い……俺も流石に持ってかれそう……」 「グリンフィート……!」 「アサヒ……出る……ッ……!」 中で重い衝撃が突き抜ける様に来た。 駆け上がっていく解放と快感に俺は何も考えられなくなる。 そして記憶が一部飛んだみたいで、グリンフィートの声で俺は自分が荒く呼吸をしている事に気が付いた。 「……出た……アサヒ、抜く……よ……」 「……はぁ、はぁはぁッ……ッ!」 ズルリと抜かれたグリンフィートの物が俺から無くなると、そこから液体が流れ出る感覚が後からきた。 「……アサヒの、まだ……広がっててエロい……しかも俺のが出てる……」 「……! 指……で触る、な……! やめ……」 グリンフィートが俺のアナルを指で下に少し広げた事で、益々俺の中からグリンフィートの物が流れ出てく……。 俺は少しぐったりとしているけど、グリンフィートはそうじゃないのが見てとれた。 しかも今の動作でまたペニスが上がってきてる……って、おい! 俺はもう無理……! 「……どうしよう、アサヒの事もっと……もっともっと滅茶苦茶にして壊したくなってきた……ヤバイかも……くそッ……!」 「!!!??」 き、危険だ! 汗で張り付いた緑の髪の隙間から覗く金色の瞳の奥に、何か危険な物が生まれ始めている!!! その草間から俺に狙いを定めてるに違いない……!!! どうしよう!? えーと、えーと……!! 「……ぐ、ぐりんふぃーと!図書館の閉館時間とかもあるしさ、もう、か、帰ろう!?」 「…………何それ……色気無い………………でも、分かった帰ろう……だから泣かないでよ……」 「えッ!?」 お、俺、泣いてるの??? マジで!? 「……もしかして、俺の発言に怖くなった?」 「…………少し……驚いただけ……怖くは無い……」 「そっかぁ……ごめんね? アサヒ?」 「……うん、もう大丈夫……」 俺はグリンフィートに半分本当で半分嘘をついた。 "驚いた"のは本当で、"怖くは無い"は嘘だ……。 そして今、目の前で少しバツが悪そうに笑っているグリンフィートは、俺の本来のイメージのグリンフィートだ。 「……………………」 「アヒャヒ?」 「………………俺をビビらせて泣かせたお返し……ムカついた」 少し拗ねた口調でそう言って俺はグリンフィートの頬を伸ばした。別に俺は本気でそう思っている訳ではない。茶化して誤魔化したくなったんだ……。 ……お兄さん、君の将来より今は自分の将来が気に成ってきたよ! 生死的にね!

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