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第57話 月の軌跡に沈む夜 -3-
かーちゃんから"加護"を貰う。この間、俺はかーちゃんのされるがままだ。
いつも通り、かーちゃんは俺に唇を合わせてくれる。嬉しい瞬間だ。
もう何度か加護をこうして受けている内に、俺に蓄積されていく加護を感じながら、同時に来る痺れが堪らない。
「……ん……」
「……はぁ……」
……加護を受けていて、何度目かの返しを貰った時に俺はかーちゃんにとあるお願いをしてみたくなった。
「……かーちゃん……」
「何です?」
「あ、あのさぁ……俺がかーちゃんに直に触れるのに問題があるなら、かーちゃんから俺に……ふ、触れるのはどうなの……かな?」
ヤバ……少し上ずった。変に緊張したんだ……。
「……それは……分かりました。では、周りから見えなくしましょう……」
かーちゃんは俺のお願いに一瞬考える素振りを見せて了解してくれた。
それからかーちゃんは妙に入念に辺りを確認しながら何かを施してくれた。どうしたんだろ?
それが終わると、俺の右腕を引っ張ってかーちゃんの隣りに座らせ、かーちゃんは俺をそっと抱きしめてくれた。
「……アサヒ、アサヒを壊したくない……」
「かーちゃん……ん、ぅあ……」
唇を重ねられながら、かーちゃんは俺に語りかけてくる。
微細な唇の振動が重なる瞬間、俺に伝わって何だかゾワゾワする。
「だから、ゆっくりアサヒを慣らして……」
「かーちゃん……」
かーちゃんの指がゆっくりと服の上から俺の背骨をなぞる様に動く事に、ドキドキしてくる。
そして、次のかーちゃんの行動を期待している自分が居るて、すごくもどかしい……。
もっと……。
「……アサヒ、髪の先が一部スライム化してますね? どうしたんです?」
「んッ……? そうなの? ……何だろう、上手く制御出来ない……のかな……ぁ……」
良く見ると俺のスライム化した毛先がかーちゃんにペタペタと纏わりついてる。
何だよ……。俺だって、かーちゃんをもっと触りたいのに。自分の毛先がずるく感じた。
「……………………」
「アサヒ、どうしました?」
「………………別に……何でもない……」
……まさか、かーちゃんに自分の毛先に嫉妬しているとは言えない。
だから俺は誤魔化す様に、かーちゃんに抱きついて、ギュウと力を強めた。
それにより、かーちゃんと俺の密着感が増す。何だかもどかしくて切ない……。
服が上手い事防御壁みたいな役割になるんだよな……。はぁ……。
……"人"の部分じゃなくて、"闇族"の部分なら、有る程度平気なのかな?
「……では、アサヒはこうして欲しいんですか?」
「……え? ……ぁ……?」
そう言いながらかーちゃんは俺の服の袷を広げて中に手を滑り込ませてきた。
かーちゃんの指先が俺の肋骨辺りをなぞっている……。
「……う、うん……して欲しい……」
そして俺の言葉を待って、かーちゃんは今度は俺の両方の乳首を指で摘んできた。
柔くぐにぐにと力を加えられて、俺はそれにより起こる淡い刺激に震えた。
「か、かーちゃ……ん……」
「アサヒ、ゆっくり、ゆっくり……丁寧に慣らして上げます……」
「……ぃ……あ……ッ……!」
大体いつものヤっている流れより何倍も何十倍も、もどかしく触られる事に泣けてくる……。
「アサヒが最後に壊れないように……ゆっくり、こうして私の加護で全部満たして上げます」
「かぁちゃぁん……」
「……でも、たまに大事過ぎて壊してしまいそうです……が……」
「ンッ……はぁ……はぁ……! そんな……ぁ……かぁちゃんン……ッ」
「……大丈夫です、アサヒ、何も心配しなくて良いですよ」
「ンンッ……」
そうしてかーちゃんは唇を合わせてくれた。
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