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第66話 新月のスラデレラ -3-
程無くして、案の定エドが台所に現れた。
エドの気配があり、軽い朝の挨拶の後に疑るような声をエドが発して来た。
「……今、誰かと喋ってなかった……?」
「……いえ?」
「ところで、何でそんな床に座っているの?」
「……が、害虫駆除中なんです。小さいので、こうした方が良く見えるのです」
「……ふぅん?」
少し疑いながらもエドはそれ以上何も言わず、朝食に用意されていた物を持って去って行った。
お盆に載った物が奏でる"カチャカチャ"とした軽い音が去って、少ししてから家政婦さんは俺に話しかけてきた。
それにしても、床に座っている理由が……何となく突っ込んでみたくなるなぁ? ………………しないけどさ。
「も、もう大丈夫……だと思います……はぁ……」
「コポ! (おう!)」
安堵の為か、家政婦さんの体重が真上から更に掛かってきた。……俺、さっきから下敷き状態なんですけど?
……ん? あれぇ? ……この上から押し当てられている、形と膨らみ……もしや……?
……失礼……。
―……にゅるり……ぺたぺた……ずりぃ……
「~~~ひぃ!? な、何!!? 下着が? えええ??」
「コポォ!? (こ、これはぁ!?)」
こ、この家政婦、"男の娘"だ! 家政"夫"だ!!
下着の中に触手を入れて、下着をずらしたら、ペニスが出てきたんだよ……!
そして突然のスカートの中での出来事に驚いたみたいで、ペニスが"きゅぅ"となって、小刻みに震えている。
しかし、彼は俺を下敷きにしたままで声を荒げてきた。でも、これでは俺は外に出て行けないんだけど……!?
「と、突然……何なんです! ……しかも私の秘密を~……!! 許しませんよッ!?」
「コポポポ~……キュゥ……(ご、ごめんよ……気に成ったんだ……)」
「"キュゥ……"って、か、可愛こぶっても……ゆ、許せない!」
「コプ~~(確かに……)」
えーとえーと……そうだ! お詫びと美味しいマーマレードのお礼に気持ち良くしてあげるよ。リ、リラックスしようよ? (混乱気味)
「……?」
―……もそッ……
「ひ、ぁ、ひぃん……!?」
へぇ? 随分皮あまりな感じ……中に触手を入ると不思議な気分だな。まぁ、中に潜んでいるモノは立派な"大人"だけどさぁ……。
「そんな、中に……入っちゃ、だ、ダメ!! 何で取れないの……? ひぁあァ!? 中でそんなトコ舐めないで! ひゃぅ!」
家政夫さんのそんな言葉が聞こえてきたけど、ここは無視して続行続行!
「お、怒らないから……もう、許すから! 誰にも秘密にしてくれたら許すからぁ!! だから剥がれて! ぁあぁぅ!」
そこは大丈夫。俺は誰にも言う気が無いからな。ってか、焦って俺がスライムだって忘れてない? 今の俺は人語は喋れませんわよ?
「で、出ちゃう! 仕事中なのにぃ……!! 止めて……動きを止めてぇ……! ひぁ……! 持ってかれる……!? ぅああッあ?!」
そんな事言わないで出せよ。俺が全部受け止めてやるからな? どうせ、もう出したくて止まらないだろ? ん?
そこで俺はペニスの皮をズルリと下に剥いて、外気に出てきた紅く濡れた先端を自分の体内に取り込んで、扱きながら吸い上げた。
想像していたよりアッサリ皮が下がって、少し驚いた。もしかして、自分で結構触ってるのかな?
まぁ……そしたら、反応がすぐ返ってきた。ほら、我慢出来ないだろ?
―ムキュッ! ……じゅぶぶ……ビュグ!! ビュグビュグビュグンビュググ……!!
「~~~~~ッぁ!? ふあぁあぁッ!!?」
俺の中に放たれた精をひたすら外に溢れないように取り込み続ける。
ミリ単位ですら、外に液体を出さないようにしないとな。だってまだお仕事残ってるだろうしさ。
おーおー、俺の中で暴れまわって、これは俺が振り落とされそうだ。ある意味ロデオ状態だなー! ははは。はいやー!
そんな俺はスカートの布を下から、彼のペニスの動きに任せて泳ぎ回っている状態だ。
そして彼は胸元で握り拳でスカートの前面をたくし上げて放出の解放感に震え、結局最後は悦んでくれているみたいだ。良かった良かった。
……さて、ペニスの動きが緩くなったところで残滓も確り頂いて、ご馳走様でしたー!
「……は~は~……んはぁ~……」
息はまだ上がっているけど、スッキリしたかな?
よし、スッキリしたら今度は冷静に筆談しよう?俺はさっき家政夫さんにご奉仕しながら、"筆談"と言う手段を思いついたんだ!! パカパカパーン!
触手の先に水を付けて、床に文字を書いて見せる。何で"水"かと言うと、拭けば終わりだからだ。変に証拠に残らないだろ?
……さて、読めるかな? ほら、こっち向いてよ!
―……タシッ! タシッ!
「……何? ……えっと……? "筆談、読める?"」
そう、俺は水で『筆談、読める?』って書いたんだ。良し良し、俺の文字が読めるみたいだな。これで"ぐっ"と家政夫さんに近づいたぜ。
「君、とても頭良いんだね……。こんなの初めての体験だ……筆談……文字が書けるスライムだなんて……」
うん、そりゃそうだろうよ。頭が良いかは別問題だがな?
『何で女装してるの?』
「……ここの屋敷で働く条件が"女性のみ"だったからです……。私、変装は得意なので……それに見た目も大丈夫そうかな、って……」
『ふ~ん? 何でそこまでするの? 理由、何かあるんじゃない? エドに相談しようか?』
「…………だ、黙ってて……! 実家に借金が!! 突然の一家離散で、今は私が一人で返していて……まだ半分も返せて無い状態で……。
だから昼のここがなくなると困るんです。ここ、他のと比べて安全で給料が格段に良いんです……。
……坊ちゃんのスライムの事は黙っているし、他にもスライムが居るなら君達には触れないから……だから……だから……」
「コポ! (言わない!)」
「?」
ああ、スライム語は分からないんだよな……。筆談筆談……。
『一人で辛そうだな。分かった。言わないから大丈夫』
「………………」
月並みだけどさ、そう思ったんだよ。
そして触手を伸ばして、頭をそっと"良い子良い子"してみた。普通はこんな事、しないんだけどな……。
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