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第88話 刹那の共有 -3-

「アサヒ……?」 「……んッ……」 「ん、ぁ……」 そう言ってから唇を重ね、行為の最中に俺はシュトールと出会った時の彼を思い出していた。 最初に出会った段階で、俺はシュトールの魔力の強さにむせ返りそうになった……。 その時点で俺じゃ無理だって分かっているけど……、シュトールにとても触れてみたくなったんだ……。 どうなるのか、深く……興味が湧いた。 そして俺は唇から首筋に、そして繋いでいる手の甲に順に唇を落とした。 俺のその行為に、猫のような瞳で不思議にしてそうにしているだけで振り払ってこないシュトールを、俺は"このまま続けて良い"のだと受け取った。 ……んだけど、確認行動も大事だよな? このまま続けてもいい気がするけど、王子様にお伺いをたててみようか……。 「シュトール……一応聞くけど、俺にこうされるの"嫌"じゃねぇの?」 「……"嫌"じゃない……」 「本当?」 「……ああ、本当だ……。アサヒは結局俺にそんなに酷い事しない……って思ってる……んッ……」 「……そうかな? 俺……知らないで酷い事、するかもよ?」 俺はシュトールにそう答えながら、彼の頬に唇を寄せた。寸前で、触れない距離で声を発する。 「した時は"酷い"って言う……。はぁ……は……ッ……んン!」 「教えてくれんの? ……ははっ……」 「うン……ん……」 「……じゃ、その時はお願いしようかな……」 服の上からシュトールのペニスの形をなぞると、じんわりと熱が集まってきているのが分かった。 その服の中に手を滑り込ませて中で柔々とペニスを触れば、先端から液体が溢れて俺の手も濡らし始め、布を浸食出来なかった新しい液体がダラダラと下にペニスを伝って下りて来るのだ。 そして押し付けられた薄い布越しに先端の色が淡く浮き出て、ジワジワと湿りの範囲を拡大させていく。その服の中でペニスの先端を布に押し付ける度に、シュトールから濡れる小さな声が漏れ出るのだ。 そんな中、息が荒くなって何かを抑えていると感じる、シュトールの視線が俺に向けられている。盗み見ると彼の瞳の端に涙が浮かんできたのが感じられた。 「シュトール、苦しい? 出そうか」 「く、苦しいけど……でも……そこ……は」 「苦しいなら出すよ」 「……ぁ……」 シュトールに言葉を掛けながら、俺は服の中からペニスを外気に晒した。それにより紅く変化し始めている先端が、ふるりと緩く揺れた。 「シュトール、ほら、出したよ……?」 「あ、や、……だしちゃ……」 「でも、まだ"全部"出てないよな?」 「? ……ぁ……っ?」 そこで俺はシュトールの出したペニスの皮を、"ツツツ"と下にやるとシュトールの紅い先端の全貌が徐々に露わになってきた。俺のこの行為の進行に合わせてピクピクとペニスが跳ねるのを指先に感じて楽しむ。 ―ぷ、るッ! 「~~~んっぅッ!!」 最後の"剥け"でシュトールは腰ごと上に僅かに跳ねた。 「……"最後"の、跳ねるくらい良かった? 自分で触ったりしないの?」 「だって、あんま……自分で触った事ない……はぁ……ッ……んん!」 シュトールに声をかけながら、彼のペニスを弄る。これでシュトールのペニスが全て外気に晒された。 ……ま、旅の間は隣りに従者くんだしね。それ以外でも、もしかしたら一緒かもしれないし?シュトールがあまり自分で触らないのも分かるな、とか? 予測だけどね。まぁ、元々あんま興味なかったとかも有り得るけどねー。 「……じゃ、俺の触る? 他人は初めて?」 「自分以外は……はじ、めて……んぁっ!」 「なら、触りっこにしようか、シュトール?」 「ぁ、ぁあ……アサヒ……そうする……んッ……! ぁッ……!」 「そんなにビクつかなくて良いんだぜ、シュトール。ほら……」 「あ、アサヒ……の……んッ……はぁ……あ……」 少し眉を八の字にして、荒い息を下唇を軽く噛む事で相殺しているシュトールの唇を俺は舐めた。そしてそのまま唇を重ねる。 俺にペニスを弄られているもどかしさに薄く口を開いた時を見計らって、俺は彼の後頭部を左手で支えてシュトールの口内に舌を伸ばした。 「んッ……! んんッ……!?」 「ん、シュトール……舌、俺のに絡めて?」 「ぁ、ん、ん~~……」 俺の言葉に従う意思を、舌を絡める事でシュトールは示してきた。そして直ぐ様、クチュクチュとした水音の絡みが起こり、シュトールの口角から一筋の流れが顎へと流れた。俺はその流れ出たものを舌先で掬い、再び口内に戻し、行為を再開する。 口ではそうして、俺は右手でシュトールのペニスの裏筋をゆっくりと撫でていた。撫でる度に、シュトールのペニスに熱い律動が起き、ジワジワと上がって行くのだ。そしてやがてペニスの先端がほぼ垂直を向き、その先端からはすでに先走りが溢れ出て、幾本もの卑猥な流れを作り出していた。 「シュトール、撫でる度にビクビクさせて……。こうされるの好きなんだ?」 「……~~んぁんン! あ、あ、ぁ……! きもち……い……ぃ……ッ! いぃ……! ……でも好きか、わかんな……い!」 「気持ち良いなら"好き"って事だよ、シュトール」 「や、ぁ、変……へんになる、アサヒ……!」 「変じゃないよ、大丈夫」 「だって、もっと……ほしぃ……触って……」 「良いよ。……他の所も触るよ」 「ん……ぅん……」 そこで俺は衣服の上から、シュトールの乳首を吸ってみた。薄い布越しにわざと甘噛みも加える。 「~~~~ぁ、あ!!」 ―……ぴゅくッ 「軽くイった?」 「~~~~!」 そして今度は上半身から服を取り除き、現れた胸に舌を這わせ、突起の先端を舌で変形させて楽しむ。俺のそんな舌使いに、勃起状態のペニスはダラダラと先走りを滴らせながら戦慄き続けている。 「んッ……ん、シュトールの……上も下も両方勃ってきたね?」 「はぁ……! ぁぅ……うぅ!」 俺は声を掛けながら、ここでシュトールの衣服を全て取り除いた。ついにシュトールの裸身が露になり、それに対してシュトールは俺にも服を脱ぐのを要求してきた。俺は彼の要求を直ぐに受け入れ、服を脱ぎ去った。 脱ぎ終わり、再びシュトールに肌を寄せて彼の体温を直に感じる。熱い場所と、温い場所があるのが分かった。その中で熱が集まっている、シュトールの熱く濡れるペニスを扱きながら、俺は彼の耳元で囁き耳たぶを緩く噛んだ。 「そろそろ……もっとイきたい?」 「ぁ、さ、あさひぃ……ん、ン……! ぃきた……ぃ……!」 切羽詰った泣く様な声を上げてシュトールは俺の問い掛けに直ぐに答えてきた。 素直なのは可愛いね。

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