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第3話
「千裕。家まで着いてきたけど。まさか本気、じゃないよな?」
「本気に決まってんだろ?じゃなかったら、こんなトコ来るかよ」
両親の居ない幼馴染の家。配置の変わらないベッドや本棚。ここに足を踏み入れるのは何年ぶりだろうか。
「早くしろよ」
「やるわけねぇだろ!」
幼馴染が勢いよく座ったベッドのヘッドボードに置かれた、ティッシュケースと小さな缶。こんなもの昔は無かった。
「へぇ……。お前らここでもヤってんだ?」
「ちょっ、勝手に見んな……」
空き缶の中に残された二つのコンドーム。
「お前は、ここで……。どんな風に、真裕を抱くんだ?」
布越しに触れる、幼馴染の体温。
「キスをして、服を脱がせて……」
「おい、ちょ……」
手のひらで視界を閉ざして、唇に触れる。
「んっ……ふっ……」
康介の舌と唾液。康介の息づかい。
「康介、勃起してる……」
それにやんわりと触れると、反応する康介のペニス。男なんて所詮、物理的刺激に逆らえない。
「まて……やめろっ……」
ズボンから飛び出したペニスは完全に勃起し、うっすらと濡れている。
「なんで……?どうせ、真裕にもされてんだろ?」
鼻先をくすぐる康介の匂い。舌全体で感じる康介の脈。
「ぅっ、真裕は、そんな事、しなっ……」
「へぇ。じゃあ、フェラされんの。俺が、初めてなんだ??」
どくりと体に血液が流れ始めだす。
舌先に溢れる康介の液。唇に触れる亀頭。
「ぁっ…‥は、ぁ……」
「康介、気持ちいい?」
赤くなった康介の顔。康介の乱れた息。
「ちひっ……」
口の中に康介の熱が伝わる。
「んっ……、んっ……」
どんどんと康介が口いっぱいに広がっていく。
「ンッ……んンっ……」
喉の奥に康介の味がする。これが康介の味。真裕も味わった事のない康介の味。
「ん、んっ、ンッ」
体が熱くて熱くて堪らない。頭がぼおっとして、意識が飛びそうになる。
「ち、ひろ……はな、せ……」
「んっ、はぁ……や、らぁ……」
まるで子供の様に甘えた声を出しては、康介に吸い付き、その蜜を吸う。
「あっ、そんなに、強く吸ったらっ……」
「は、ぁ……、こうすけの、こぉすけの、せーえき、ちょぉらい……」
その時、幼馴染は何を思ったんだろう。
「あっ……」
ビクビクと跳ねる康介から注ぎ込まれる、どろっとした液体。喉の奥に絡みつき、体内へ落ちていく。
「ンッ、ンッ」
飲み込んだものが、自分の下半身から零れ落ちていく。
「はぁ、はぁ……。千裕、お前……」
康介の初めて。真裕すらも経験したことのない、康介の味。
「はっ……はっ……こう、すけ……」
もっと欲しい。自分の体内に、もっと、ちゃぐちゃになるほどに、注ぎ込んで欲しい。
無意識に伸ばした手は、康介に弾き飛ばされていた。
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