5 / 9

第5話

「真裕。誕生日プレゼント。これ買って来い」 テーブルに座った妹に手渡した一枚の紙。 「もう、やっと決まったの~?って、これ本気?」 「ああ。後、そこに書いてある参考書と、適当に紙買っといてくればいい」 「まあ、お兄ちゃんが良いなら、良いけどさ。お兄ちゃんって物欲がないって言うか。物に執着がないよね」 そんな風に見えてるのなら、自分の努力の賜物なのか。それとも、妹の目が節穴なのか。 どちらにせよ。まだ、壊れてはいない――

ともだちにシェアしよう!