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第30-Ⅲ話 ラブラブ温泉旅行の巻

  旅行日程最終日の今日も晴れわたった空が   広がっていた。   宿の食事処で朝食を取ってから、チェックアウト。   宿の女将さん始め従業員の皆さんでお見送り。 「「お世話になりました」」 「次は是非、お子様といらして下さいね」   俺達の関係、バレバレだったぁ?   京都へ戻る前に旧市街へと向かう事にした。   **市の中心までは大体車で1時間弱。   登って来た峠を下っていく。   **市は大河ドラマのメインロケ地になった   影響で、観光客もだいぶ増えているらしい。   それ以前はマニア受けする海辺の温泉場だったのが   テレビ放映と共に”知る人ぞ知る”という観光地へ   変貌を遂げていったんだそう。   それだけに地元も観光事業にかなり力を注いでいる   と伺え、お土産の種類も半端じゃない。   ベタなところで ―― お菓子や漬物、   地元ブランド牛の味噌漬け、果物のジャムなど   食べ物関係は勿論のこと、   地元・滋賀県の近江上布だけでなく、京都の西陣織   鹿児島県・奄美の本場大島紬、茨城&栃木県の   結城紬、福岡の博多織、沖縄県の宮古上布や   琉球絣 ―― 等など、全国各地から集められた   織物の着物やバッグ、それに柊二が楽しみに   している地酒のコーナーも充実している。   試飲や試食もできるので選ぶのがすごく楽しい。   そして俺達が同僚達へのばら撒き土産に   選んだのは、ひと口サイズの温泉まんじゅう。   やっぱ、温泉場と言ったら土産はコレっきゃ   ないでしょ。   酒呑みな柊二でも酒のツマミに食べられるくらい   美味しかった。   家族用と自分達用のお土産にも買ったくらいだ。   これから柊二は大学病院の方の先生たちへ   地酒をお土産にするつもりらしい。   地酒コーナーで店の人に聞きながら、   色々見繕って買っていた。   俺はその間、織物のコーナーを見て回った。   いかにもお高かそうな反物から、スカーフ、   ネクタイ、バッグや巾着や財布など、   実に色々なものがあった。   やっぱ反物は仕立てるのが面倒だし、   高いしとても手が届きそうにないけれど、   着流しなら柊二に似合いそうだなぁと思った。   柊二は俺の浴衣姿にそそられた、とか   言ってたけど……俺だって柊二の浴衣姿に   そそられた。   いや、浴衣姿だけじゃなくって……何時・何処で、   どんな格好でも俺の方がそそられてる。   そそられて煽られて、   何が何だか分からなくなるのはいつも俺の方。   昨夜だけじゃなく今までの色んなあれやこれが   思い出されて、1人で赤くなってしまった。   なんだよ、俺!? ほとんど毎日してるのに、   それなのにまだ欲しがってる!?   もしかして、俺って……超*乱……!?   柊二が両手いっぱいに土産袋を持って傍に   やって来た。 「どうした? 顔が赤いぞ」 「え!? い、いやぁ ―― な、なんでもない!  あはは……」   俺は慌てて手を振った。   柊二の着物姿を想像して、   ついでにエロい妄想しちゃいました、   なんて……うう、こんなこと絶対言えない。 「何か着物でも欲しいのか?」   柊二がこともなげに聞いてくる。   柊二は欲しいと言ったら何でも買ってくれそうな   感じだけど……いやいや俺が欲しいんじゃなくて、   柊二に着て欲しいんだよね。   勿論それを着た柊二も欲しいけど……。 「何が欲しいのかちゃんと言ってみろ。  言ってくれないとわからないだろ」   柊二はますます赤くなった俺の顔を覗き込んだ。   大好きな柊二の顔がすごく近い……。 「―― しゅうじ」 「えっ」   一瞬、柊二は目を瞬かせて固まった。   何を言われたか考えているようだった。   いきなり柊二は俺の腕を取り、大股に歩き出す。   無言のまま、駐車場に戻って車のトランクに   お土産を積むと、俺を助手席に乗せ、車をスタート   車内には妙な沈黙が漂っていて、うわ、   マズい事を言っちゃったかな……と   俺は思いながら助手席に縮こまって座っていた。   車は市街地を外れ、   人家のない山の方へとさしかかる。   来る時に通った道ではない、   全然逆の方みたいだった。   柊二は山の方へちょっと入った辺りに車を停めた。   周りは鬱蒼とした木がたくさんあって、   昼間なのに薄暗い。 「さて、りんたろ……」   柊二が俺の方を向いた。 「は、はい……」   な、何を言われるんだろう。 「ほんと……お前って奴は……」   くすりと笑って、   柊二は運転席から俺の方へ身を乗り出した。 「あんな人がたくさんいる場所で、お前から誘われる  なんて思ってもみなかったよ」  俺の頬を優しく撫でる。 「……オレも、お前が欲しい」   あっという間に、俺の唇は柊二の唇で塞がれた。 ***  ***  ***   そう、まるでさかりのついた犬猫みたいに。   いくら人家もなく人もいない山の中だからって、   まだ真昼間で、外であることに変わりはない。   この時乗っていた車は柊二の物ではなく、   伸吾さんから借りてきたミニバンタイプの   ファミリーワゴンだったので、   後部座席のシートを全部倒せばその……   車中セッ*スも余裕で出来る。   車が激しく揺れるのも、俺の声が外に聞こえてる   くらいに高く上がるのも、今は全部頭の中から   締め出して。      倫太朗は大胆にも自分から姿勢をクルッと転換し、   柊二へ前抱っこされるような恰好で跨がった。      対する柊二は”心得た”とばかりにしっかり受け止め、   倫太朗のシャツの前を乱暴にはだける。      ぷるん! ―― 若々しく、意外と張りのある   倫太朗の小ぶりな乳房が露わになった。      柊二は何時になくまじまじとそれを見つめる。      (は、初めて、ではないけど、    やっぱそんなにじっくり見られると    恥ずかしい、かも……)         「あ、あのぉ……鑑賞物じゃ、ないんだけど……?」 「んー、そっかぁ……じゃ、さっそく頂こうか」   間髪をいれず、柊二の温かい口腔が倫太朗の乳*を   包み込んだ。      そして、片方の手は反対側の乳房を揉みしだき、   もう片方の手は大腿部を撫で回しつつ、   ゆっくり倫太朗の秘所へ ――。       「あ、はぁ……ん……」   じわじわと這い上がってくる快感に身悶える倫太朗を   上目遣いで見て、柊二はニヤリと笑った。       「はぁ、ぅ ―― コレ、や……」 「んー? 気持ち良くないか?」 「……はぁ はぁ……おかしく……なっちゃ……」 「いいよー、可怪しくなって。ココにいるのは、  オレとりんの2人きりだろー」       ―― カラダの芯が燃えるように熱い!      柊二の太くて、でもしなやかな指が自分のソコで   不規則に動く度 ――、      柊二の舌が倫太朗の乳*に刺激を与える度に ――、      そこからカラダ全部に耐え難い快感が走り抜ける。      視線を下ろせば自然と目に入る。      柊二のソレも自らの下っ腹にくっつくほど、   痛々しいまでにそそり勃っている。       「柊二……しゅう、じ……おねがい……」 「何かな?」 「……早くぅ……」 「ったく……困った王子様だ……」   倫太朗が浮かせたソコへ自らの昂ぶりをあてがい、   倫太朗が下ろしてきた重みを使って、グイッと自身を   最奥までゆっくり・ゆっくり押し進めてゆく……。       「ん、は、ぁぁーー……こいつぁ、すごい……  とろとろだぞ、りん」 「あ、んン……い、い……きもちいーよ……」   揺さぶられて、絶え間なく恥ずかしい声が漏れる。      繋がった場所が、火の点いたみたいに熱くて、   淫らな刺激が脳髄を舐めるようとろとろに溶かす。       「ほ~う、そんなにイイか? なら、存分に喰らえっ」   焦らすよう、わざとソレを引き抜かれ。      失ったモノにその部分が慌てて追い縋ると、   また、グイッと深く突き立てられ。      満たされた安堵に、細く長い吐息が漏れる。      残される余裕でギリギリの自分を保って   いられるから、己の醜態を意識して、でも、   その恥ずかしさにすら煽られる。      こんな自分は知らない……!      嫌なのに、こんな淫らな自分は……。      柊二の下から突き上げる動きが徐々に激しく、   強いものになっていく ――。    「すまん、りん……そろそろ、イキそだ……」   答える代わりに、   柊二の首回りへしっかりしがみついた。      辛さも・苦しさも・恐れもなく ――、   ただ、気持ち良くて……気持ち良くて……。      うっかり落ちた生理的な涙を   触れるだけの優しい唇が吸い取った。      今だけかも知れない、刹那の抱擁に、   それでも満ち足りた気持ちで。       「「 あ、あぁぁ ――っっ!!」」   2人はほとんど同時に達した。       「はぁ はぁ はぁ……この年になると、  連日のエッチはさすがにしんどい……」   チラリ、本音を吐きながらも荒い息を整えつつ、   倫太朗と啄むようなアフターキスを交わす。              「ううん、俺のダ~リンはまだまだ十分若いよ」  「ハハハ ―― こりゃ参った」

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