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第6話(紺side)

なんて言うんだったかな、こういう時。 そうだ、「青天の霹靂」だっけ。 蒼衣がずっと隠してた、俺への気持ち。 正直なところ、嫌悪感とかは、ない。 ただ、びっくりした。心から。 ずっと一緒にいて、誰よりも、もしかしたら 自分より俺のことをわかってるかもしれない、大事な親友。 昔から自分の事より人の事を優先するような奴だった。家庭環境のせいもあるのかもしれない。自分だって慣れない環境で急に父親も居なくなって寂しかったろう。小学生の時、心ない友人達からからかわれた時も、母親に心配をかけまいと振る舞う姿は健気に映った。 俺はあいつの側にいただけだったけど、1番近くにはいたと思う。 最初は閉じていた蒼衣が自分にはくつろいだ笑顔を見せてくれるようになった時は、本当に嬉しく、ほっとしたものだった。 環境が変わって進路が別になったとしても、実家に帰ればすぐ会える。このままずっと大切な親友として一生付き合っていけると思っていた。 蒼衣はそうじゃなかったんだな。 親友でいられなくなっても俺に気持ちを伝えたかったんだ。 ずっと好きだったと。 あいつの涙、見たの久しぶりだったな。 やたらまつ毛の長い、伏せた目からはらはらと流れる涙。言いたかった事を一息に言った後、まっすぐに俺を、見た。 ぽかんと俺はそれを見ていた。 きれいだな、と思いながら。 見惚れてた。 混乱してとっ散らかった頭の中を、少しでも整理しようともう人がまばらになった教室の自分の席に座る。 ふいに思い出して、卒業アルバムを開く。 ひとしきり眺めて、閉じた。 走って蒼衣の家を目指した。 行かなくちゃ。 こんなに思ってくれたあいつに。 伝えなくちゃ。

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