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第139話

「えぇ。本当です。」 「あっ、でも、俺のマンションは引き払ったし、記憶が戻るかもしれないので同居してますっ! 覚えてもらってなくても、俺は希を愛し続けます!」 「はあっ…そんなことがあるんだな… 影山…お前、何をやらかしたんだ? 記憶が飛んでしまうなんて余程のことだぞ?」 「………………面目ないです…」 「とりあえずそういうことですので。 色々とご配慮いただきましたのに、申し訳ありません。」 「…わかった。 でも、一応『恋人認定』してあるから、そういう扱いするからね。」 「ボス、『恋人認定』って何ですか?」 「盛り上がって遠藤を送り出したお偉いさん達に報告したんだよ。 そしたら『結婚式には出席するから』ってさ。 君達、会社公認のカップルだから。 しかし…この状況を報告したら悶絶するぞ… 影山…君、クビかも」 「「はあっっ!?」」 裏返った声が綺麗にハモった。 「どうしてプライベートな恋愛がクビに直結するんですかぁ? 確かに俺は希を傷付けて、挙句に記憶からも消えた状態です。 辛い思いをしてるのは俺達なんですよっ!? それに…社員の恋愛で盛り上がるってどういう会社なんですかっ!?」 「結婚式って何ですかっ!? 会社公認って何なんですか? ……俺達はボス達のオモチャじゃありませんよ。」 矢継ぎ早に俺達に糾弾されて、ボスは首をすくめて降参のポーズをした。 「まあまあ、とにかく…遠藤の記憶が戻るように努力してくれ給え。 じゃあ、そういうことで…解散っ!」 文句を言いかけた俺達を外に追い出して、ドアを閉められた。

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