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第142話
「はあっ??ボスがバラしたってかぁ??
くそっ、あのオヤジ…一回〆てやる…
希…大丈夫か?」
「うっ…目眩がする…大丈夫じゃない…くっそー、あのオッさん…人で遊ぶなっつーの…
幹部だけじゃなく、ここでもやりやがって。」
「あ、チーフ、俺は男同士で…っていうのはぜーんぜん気にならないですからっ!」
「「そういう問題じゃないっ!」」
そうこうしているうちに、次々と出社して来る営業部の面々が飛びつかんばかりに近付いて来て、各々が勝手な台詞を吐きやがる。
「おおっ!チーフ、影山っ!おめでとうございますっ!
何だか…羨ましいですねぇ…」
「新婚旅行はどこにいったんですか?
お土産はー??」
「まさかお前達がデキてるなんてなぁ…いやぁ、参ったよ。」
「影山に取られるくらいなら、告っとけばよかった…チーフ、俺じゃあダメですかぁ?」
口々に放たれる祝福とやっかみのオンパレード。
頭がクラクラする…
と同時にボスに対して腹が立ってきた。
「斗真っ、抗議に行くぞっ!!」
ヒューヒューと鳴る指笛と囃し立てる声を掻い潜り、みんなに囲まれて質問責めの斗真の腕を掴み、引き摺るようにして部屋を出た。
「ぜってー、許さないっ!」
ドアはオープン。
くっそー、腹立つ。ボス、首絞めてやる。
「ボスっ!どういうことですかっ!?」
ノックもせずに乗り込むと、優雅に朝のコーヒータイム中だった。
「ん?さっき解散したばかりだが…何か用か?」
「『何か用か』じゃないですよっ!
社内中が俺達のこと知ってるってどういうことですかっ?
何言いふらしてるんですか??
あり得ないですよっ!
何考えてるんですかっ??」
息もつかずに一気にまくし立てて、酸欠になったのかフラついたところを斗真に支えられた。
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