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第152話

久し振りにまったりと過ごす朝。 昨日買ったパンを温め、サラダと目玉焼きを盛り付けた皿をセットし、コーヒーをドリップして斗真に渡してやる。 「サンキュ。」 ニカッと笑う斗真がかわいく見える。 「あ、これ、半分こしようぜ。こっちも食べたい。」 「じゃあ、これも。」 結局、全て半分こして味を共有した。 「あー、朝から食べ過ぎたかな…さすが評判の店、美味かった。」 「うん、満足満足。…ん?朝から誰だ?」 斗真の携帯にラ◯ンメッセージの着信音。 「…矢田…休日に何だ?」 ドキッとした。嫌な予感がする。 コーヒーカップを片手に、斗真が画面をタッチした。 『休日にすまない。 どうしても話したいことがある。 俺とお前に関する大切な話だ。 今日、時間取れないか?何時でもいい。 今日が無理なら明日はどうだ?』 斗真が黙って開いたままの画面を俺に差し出した。 「俺が見てもいいのか?」 「隠す必要はないから。」 何だこれ。一方的な訳の分からない文章。 余程切羽詰まっているのか。 「…これ、どうするんだ?」 「今日も明日も久し振りの休みで、希とのんびり過ごすつもりでいるから会わない。 『俺達に関する大切な話』って何だろう? アイツこの間からおかしいんだよな。 でも、話し合うことなんて俺にはないんだけど。 会うなら、明後日朝イチで社内でいいと思う。」 そう言って、タタタタタッと操作して送信した。 「…既読スルーかよ…」 「…何て打ったんだ?」 「はい。」 速攻で携帯を差し出された。

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