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第153話
そこには
『悪いけど予定があるから今日も明日も無理だ。
話すなら明後日朝イチで社内でしてくれ。
〈俺とお前に関する大切な話〉って何だよ。
俺にはもうお前と話すことなんかないんだけどな。』
愛想もへったくれもない、突き放した文章。
確かに既読はついている。
こんな文章送って、逆上しなければいいのだが…
やはり斗真には伝えておいた方がいいだろう。
「なぁ、斗真。」
「うーん?何だ?」
「俺の思い過ごしならいいんだけど…
アイツ…矢田は、多分お前のことを…恋愛対象として思っているよ。」
「はぁ?希、何言ってんの?
アイツは同期で俺のライバルで」
「それはお前がそう思っているだけだろう?
俺に突っかかってきたのも、想いを寄せるお前が俺と結婚したって聞いて、頭に血が上ったんだろう。
傍から見たら…すごくわかった。」
「…そんな…バカな…矢田が俺を?」
斗真はしばらく考え込むように一点を見つめていたが、ハッと思い出したように
「そう言えば…つい最近アイツと飲みに言った時に
『どうせなら、そんな独身男の俺達で付き合う?』
って言われた気がする…冗談だと思ってた。」
「相手は本気だと思う。
きちんと考えてちゃんと対応しないと、何されるかわからないぞ。」
突然、また着信音が鳴った。
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