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第154話

二人でびくっと反応して画面を見ると 『わかった。 じゃあ、明後日の朝7:30に第5会議室で待ってる。 二人だけで話したいからチーフには内緒で来てくれ。』 「俺に内緒かよ…ってか、全部バレてるけどな…」 「マジヤバいかも。あ、でも俺はハッキリと断るからな。」 「かなり追い詰められてる感があるな… 社内だからヘタなことは仕掛けてこないと思うけれど…何があるかわからないから… 斗真、気を付けろよ。」 「俺は大丈夫さ。…希も気を付けてくれよ。」 「あぁ。」 やはり接触してきたか…一カ月も経ってから。 それも休日の朝に。 「『了解』っと。」 たった(ふた)文字返信して、迷いなく斗真は電源を切った。 ムカムカする。 やり方が姑息だ。 なりふり構わずというが、そんな感じか。 告白して何をしようというのだろう。 矢田の解せない行動にイライラしてきた。 「…み?希?おい!」 ハッと気が付くと、斗真が心配そうに俺を顔を見ていた。 「呼んでも反応がないから…大丈夫か? 俺のことなら心配ないから。信じて… 今日はさ、天気がいいから外出しようと思ったんだけど…変更!掃除と洗濯しようぜ。 後で買い物行こう!美味いもん、作るよ。」 洗濯、洗濯…と言いながら寝室に入った斗真が、シーツやカバーを両手一杯に抱えてきた。 俺も重い腰を上げて掃除機を手に取ると、順番に部屋を移動した。

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