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第155話

フローリングの床も拭き終わり、窓ガラスを磨いている間に、斗真がキッチンを片付けている。 斗真、何気に手際いいんだよな。 不意に、年末の大掃除で二人で奮闘していた姿が蘇った。 あれは…斗真の部屋? グリーンと白のストライプのカーテンが、窓を開けて入ってくる北風に煽られ、その中で二人で窓ガラスを拭いていた。 手も顔も赤くなりながら、ピカピカにしてたっけ… 「二人でさ、年末にお前の部屋の窓ガラス、拭いてたよな。先にお前の部屋済ませてから俺の部屋。二人でいっぺんにした方が早いってさ。」 「えっ!?」 「お前、あの頃から手際のいい奴だったよな…うぐっ」 キッチンからすっ飛んできた斗真に抱きつかれた。 「希っ!思い出したのか?そうだよ!二人でふた部屋、一緒に掃除してたんだよっ! 変な物や隠してた点数の悪いテストが出てきたり…その度に掃除を中断して揶揄って爆笑して… あぁ…希っ…思い出してくれたんだ…」 「斗真っ、落ち着けって!今はその場面しか思い出せない…ごめん…」 「それでもいい!一つずつゆっくりで… 希、希…ありがとう…」 涙声の斗真をそっと抱きしめ返して、また一つ記憶を取り戻したことに感謝する。 そうか…俺達、いつも一緒だったんだ。 温かな斗真の体温と体臭が心地よくて、目を閉じて少し早い心臓の音を感じながら、しばらくじっとしていた。 が、斗真が急に「ごめん」と言うなり両手を突っ張って距離を取った。 「斗真?」

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