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第156話

「ごめん、希…このままでいたいけど…俺、限界かも。 うれしすぎて…その…勃っちまった…」 思わず視線を下ろすと、斗真自身が、スウェットのズボンをテント状に綺麗に押し上げていた。 「あんま見るなよ。恥ずかしいじゃないか…」 耳まで真っ赤になり、オロオロする斗真を愛おしく思う俺がいた。 そっと斗真の前に跪くと、ズボンと下着を一気に膝まで下げた。 「の、希っ!?」 先走りで濡れた竿がヒクついている。 赤黒い張りのあるソレは、かなり大きい。 明るい場所で他人様のイチモツをまじまじと見るなんて。 俺は何の躊躇いもなく根元に手を添え、その先をかぷりと咥えた。 青臭く甘苦い味…そうだ。何度も何度も口にしたことがあるこの味… 「うおっ!?希!ちょっと、待って!うわっ」 口の中でぴくぴくと動く斗真の分身は熱くて、懐かしくて…空いた手で張り詰めた玉袋も、やわやわと弄ぶように揉んでやった。 俺は舌先を先端の穴にめり込ませ、溢れる愛液を味わった。そして時々下唇で張ったエラを弾くようにして愛撫した。 「おい、やめっ、こらっ、あっ、あっ、あ…」 斗真の喘ぐ声が聞こえ、竿が大きく膨れたと思った瞬間、口の中に大量のえぐみのある粘着質の液体が吐き出された。 俺は喉に絡みつくそれを惑うことなく全て飲み込んだ。 鼻から独特の匂いが抜けていく。 口から外してケホケホとむせながら斗真を見上げると… 震えながら俺の肩に手を掛けた斗真が半泣きになっていた。 「希…何で?」 「愛おしくなって…したくなった。 (お前の味は…覚えてる…覚えてるよ…) けど、斗真。早過ぎやしないか?」 意地悪く片方の口角を上げて揶揄うと、ますます赤くなり 「なっ、何だよっ!仕方ないじゃないか! あれからずっと…一人でもヌいてないんだって! それに…お前にあんなことされたら…速攻昇天するに決まってるじゃないかっ!」 慌ててズボンを引っ張り上げると、なんだよー、もうー とボヤきながらキッチンへ逃げて行った。 覚えてる…あの感触、あの味… 愛おしい、斗真が…好きだ… 俺は…少しずつ『以前の俺』に近づきつつあった。

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