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第178話
今夜はどうしても付き添う と言い張る希は、どういう訳か看護婦長を陥落し、簡易ベッドと布団をゲットしていた。
やることがエグいぞ。
俺は…正直一人は嫌だった。
希のそんな行動も、本当はうれしくて仕方がない。
が、よく考えたら、大の大人が男同士で付き添いなんて、変じゃないのか?
「おい、希。」
「何だ?」
「えらく簡単に付添い許可なんて…婦長さんに何て言ったんだ?」
「あぁ…ストレートに、包み隠さず。」
「ふえっ?お前、まさか…」
「うん、俺達は夫夫だから一緒にいさせてくれって言ったよ。」
「ひいっ!カムアウトしたのかっ?
お前、それでいいのか?」
「当たり前だ。愛しい夫 が痛い思いをしてるんだ。
側にいて何が悪い?」
はい、やはり元通りのあなたです。
お帰りなさい。
「悪くはない。
けどずっとここにいる俺は恥ずかしい。
点滴とか検温とかしに来る看護師さんみんなにバレてるってことだろ?」
「恥ずかしいだけだろ?じゃあ問題ない。
気にするな。
みんな絶叫してただけだから。」
「絶叫!?」
…フリーズした。
はあ、そういう問題ですか。
…わかりました。わかりましたよ。
恥ずかしいという感情は俺達には必要ないってことなんですよねっ?
仰せの通りに、ダンナ様。
そんな会話をしているところへノックの音が。
「はい、どうぞ。」
顔を覗かせたのは、ボス!
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