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第191話
それだけじゃ足りない。
もっと、もっと奥まで。
他の誰も入ったことのない、希しか許していない場所へ。
繋がりたい。
挿れてほしい。
早く、早く…もどかしい…焦れったい…
「んっ…希…早く、早く挿れて…」
自ら腰を振って希に催促する。
「斗真、おねだり上手だな…」
揶揄うように言われて、かあっと顔が火照ってくる。
それでも求める心は止まらない。
咎めるように希を軽く睨むと、ごめんごめんとキスをして誤魔化された。
「…挿れるよ…」
少し緊張したような声がして、後口に柔らかくて芯のあるものが当たり、ぐっと分入ってきた。
「あっ!」
思わず声が出た。
俺の後口は拒絶することなく、案外すんなりとその大きな肉棒の先をするりと咥え込んだ。
よかった…痛くない…
この感触、覚えている。
忘れるはずがない。
ごりごりと襞を掻き分けて突き進んでくる希自身は熱くて固くて、俺は必死で大きく息をしてその圧迫感を逃していた。
堪らない、大好きな男の存在感。
女のように受け入れてヨガって声を上げて…
俺も男だけれど、もうコイツから逃げられない。
ズンっと全部入ったようだ。
じゃりっと触れ合って、お互いの陰毛がくっ付いた。ぞくっと背中に電流が走った。
あれ…?希は動かない。
中の楔はぴくぴくと動いているのに。
「希?」
不安になってその名を呼んだ。
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