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第194話

「二人とも俺が入社した時からの付き合いだからな。 日本に行きたいってゴネた時も、真っ先に相談に乗ってくれたのはボスとパートナーだったんだ。 日本行きを許可するけど、直前の一カ月間は本社に来ることが条件でさ。 CEO直々に交渉術、叩き込まれてきたんだ。 あの二人、今は別居中だから。片や本社、片や日本。 かつての俺の上司も今やCEO。大した出世だよ。まぁ、全てにおいて完璧な人だからな。 ボスにとったら俺は『かわいい愛するパートナーがかわいがる元部下』だから、『かわいい』部類に入るんだと。 で、その流れで俺のパートナーのお前も『かわいい』んだとさ。 あの人の感覚は理解できない。」 「うぅわぁーーっ!やっぱり相手はCEOか…やるな、ボス。 そうか…そうなんだ… それにしても『かわいい』はないだろう…」 「あ、俺から見たらお前は『かわいい』ぞ! かわいいし、色っぽいし、料理も上手い。 それでいて男前で泣き虫で。 負けず嫌いで、案外ヘタレでさ。」 「何言ってんだか…そのセリフそっくりそのままお前にお返しするよ。 その『かわいい』はもう止めてくれ…恥ずかしい…」 「斗真、俺にとってお前はサイコーにかわいくて、頼もしくて、守りたい存在なんだ。 …恥ずかしい…は、なしにしてくれ。」 「希…」 挿入したままのピロートークは、抱かれている肌も密着して気持ちよくて、さっきから声がそのまま振動して身体の内側からも感じてしまい、それだけでヤバいことになっていた。 とろりと先端から愛蜜が垂れていた。 シーツ、汚れちまう…そんなことを考える余裕が、その時までは、まだ俺にはあった。

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