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第200話

照れまくる田中君と、ラブオーラ出しまくりの大翔さんに見送られ、ほっこりとした気持ちで家に辿り着いた。 そういえば、店内にいたお客さんは、驚きながらも やんやの喝采だったな… 「…あー、重かった…白菜と大根…重い…」 「ごめんな、希。全部持たせて。 その代わり、美味いもの作ってやるから。」 「いいよ。お前はゆっくりしてて。 良くなったら今度から半分持ってもらうからなな!」 「わかった…じゃあ、少し休ませて。」 「無理すんな、横になってろ。お前は今『自宅療養中なんだから。」 「んー、そうする…ごめん。」 少し動き過ぎたか…お言葉に甘えてソファーに横になった。 目を閉じると、さっきの田中君達の姿が目に浮かんできた。 微笑む二人の間には、何とも言えぬ優しさと穏やかな空気が漂っていた。 他人から見たら、俺達もあんな感じに映ってるんだろうか… 希…俺を選んで待っててくれて…愛してくれてありがとう… ふと意識が戻って目を開けると、希が顔のすぐ側にいた。 「起きたか?痛くないか?」 「…ん…大丈夫。久し振りに歩いたから、多分疲れただけ。 心配掛けてごめん。」 俺の頭をくしゃくしゃと撫でて 「じゃあ、ご飯にするか。」 既にいい匂いが漂っていて、お腹がぐうっと鳴った。 「今日は何だ?」 「野菜たっぷりゴロゴロシチュー! お代わりもたくさんあるから。」 あぁ…この何気ない会話、空気… 俺は幸せを噛み締めていた。

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