202 / 1000

第202話

翌日、朝ご飯が終わった後…約束通り、希がプリン作りを開始した。 「材料あったのか?何か買いに行かなくてもいいのか?」 「あぁ、大丈夫だよ。全部揃ってる。」 「お前…どんだけ料理好きなの? デザートまで手を出してたのか…」 「んー、お前のために腕を磨いてたからな…なーんちゃって。 それが第一の理由だけど、ある意味ストレス解消もあるかな? 作って食べたら嫌なこと忘れちゃうし。 斗真も手伝う?」 「今は座って見てる方が楽しいんだけど…」 「じゃあ、作ってる俺の雄姿を見ててよ。」 クスクスと笑って俺にキスをすると、ソムリエエプロンを腰に巻いた。 白いシャツに黒のロングエプロンの出で立ちは、カフェ店員風で妙に様になっていた。 俺の視線に気付いた希は、不思議そうに 「何だ?何か付いてる?」 「…いや…すっげぇ似合ってるな…って。 お前、そっちの業種でもいいんじゃねぇ?」 「ダメだって!俺が作るのは、斗真のためだけなんだからっ! …他人には作りたくねーんだよ。」 そんなセリフに俺は何だか胸が一杯になってしまって、俺と同様頬を染めて ふいっと横を向いた希に 「なーに 告ってんだよー!バーカ!」 と照れ隠しに呟くと 「愛して悪いか?バーカ!!」 と大きな声で返された。 聞こえてたのか…

ともだちにシェアしよう!