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第208話
「それなら問題ないだろ?
お前の羽織袴姿イケてると思うぜ?
でも…俺はお前のタキシード姿も見たいし、やっぱり教会で神聖な誓いのキスしたいから…二人っきりで先に式挙げないか?」
俺の目をしっかりと見つめて言う希。
二人の愛の証を目に見える形で残したいと思ってるのだろうか?
「なぁ、希。ひょっとして…俺達の関係を目に見える形で残したいと思ってる?」
「…うん。
こうやって心で結ばれてるのはわかってるから、本当に斗真が嫌なら…しなくてもいいんだよ。
指輪もあるから…繋がってるのはわかる。
でも、何て言うのかな…目に見えない崇高なものに認めてもらいたいとでも言うのか…普通に受け入れてほしいとでも言うのか…
神聖なものの前で永遠の愛を誓いたいんだ。」
…完全に乙女だな。
でも、希の言うこともすごくわかる。
…世間からは正面切って受け入れてもらえなくても、二人がそういう場所で誓い合うことで許可されるなら…
「…わかった。
じゃあ、二回しよう!
俺達二人きり。それと二回目は家族を呼んで。
それでどうだ?」
希が俺を抱きしめてきた。
「ホント?ホントに?
斗真…ありがとう…」
この温もりを二度と離さない。
俺もしっかりと抱きしめる。
「俺達みたいなのを受け入れてくれるとこ、あるのか?
兄貴が知ってるって言ってるんだろ?」
「翔兄の嫁さん、結衣さんだっけ?
結婚式場のパンフくれたよ。友達がそこで式挙げたんだって。鼻息荒かったなぁ…多分あの人『腐』だぞ。
同性婚もオッケーのすごく人気の式場なんだってさ。
オーナー夫夫 も同性カップルなんだってさ。」
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