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第209話
「へえー…そんな所あるのか…
予約とかどうなんだろう。俺達二人ならいつでもいいんだけど…」
「電話する!」
コイツの行動は早い。
思い立ったが吉日。
止める間も無く即座に電話をかけ始めた。
うそだろ…
「あ…初めて電話させていただきます。遠藤と申します。
……………
はい。
……………
ええ。
……………
実は…二人だけで式を…と考えてまして…ええ、そうなんです。
同性婚です。…はい。
……………
えっ?…はい、はい。
……………
承知致しました。はい。
……………では、後ほど…
私の連絡先は、◯◯◯-◯◯◯◯-◯◯◯◯
です。
……………
ありがとうございます。
よろしくお願い致します。
はい、失礼致します。」
はあっ と大きな息を吐いた希は、俺を見ると
「斗真、出掛けるぞ。支度して。」
「はあ?今から?どこへ?」
「今電話した所。ほら、早く!」
早く早くと希に急かされて、慌てて準備をすると、用意周到予約したタクシーに押し込められて連れていかれた先は…
見事なバラのアーチと奥に教会が見える、正しく結婚式場!
アプローチに近付くと、中から背の高い遠目でもイケメンと分かる男性が和やかに現れた。
「ようこそ!遠藤様…ですね?お待ちしておりました!」
「遠藤です。初めまして。急に申し訳ありません。」
「いいえ。丁度いいタイミングでしたので。
さあ、中へどうぞ。」
うわー…マジか…
希…お前……
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