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第221話
その後…
ひたすらニヤつく希と、覚悟を決めた俺は、結婚式の日時と粗方の流れを決めてしまった。
「…では詳細はまたお越しになる時に…
間違いなくこの両日は押さえましたのでご心配なく。」
「はい、よろしくお願い致します。
来週、金曜日の18時頃伺います。」
「承知致しました。お待ちしております。」
「影山さん、何か不安なことがおありなら、いつでもご連絡下さいね。」
「あ、ありがとうございます。
またご連絡…すると思います。その時はよろしくお願い致します。」
遥さんの優しい言葉に胸が詰まる。
この人達は…さっき二人きりになった時に遥さんから ちらりと聞いたように、自分達もたくさんの苦労を重ねて解決して、多くのカップルの手助けをしてきたんだろう。
傷付いた分、人に優しくなれるって本当なんだ
な。
人気だという触れ込みは伊達ではなかった。
損得のない温かな人柄に触れて、俺達もそうなりたいと思えた。
では…とお暇して、希に手を引かれて式場を後にした。
俺はその手を振り解くことはなく、人通りが多くなるまでしっかりと手を繋いでいた。
途中、いつものように大量の食材を買い込み、いつものように調理していく。
二人とも無言だった。
何故か言葉はいらなかった。
お互いの思いが手に取るようにわかったから。
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