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第223話
希はカップをコトリとテーブルに置いて、俺の方に向き合うと両手でそっと俺の頬を包み込んだ。
「お前はいつだって正直に向き合ってくれてるんだよな。
式のことも俺との関係も、将来のことも。
俺は…お前を好きすぎてお前の気持ちに気付いてやれない。
ごめん、斗真。
俺こそ…こんな俺でも一生愛してくれるのか?」
ぶわりと目の前が霞んだ。
「愛してるんだ…お前しかいらないんだよ、希…俺だけを…俺だけを愛して…」
後は涙で声にならない。
嗚咽を唇で塞がれた。
触れるだけの優しいキスを何度も何度も落とされる。
それだけで息が上がり、全身が震える。
狂おしいほどに愛おしい夫 。
希の背中に回した手は、力を失い何度も滑り落ちた。
「斗真…斗真…俺、頭がおかしくなるくらいにお前を愛してる…」
「…うっ…うぐっ…希…希…」
優しすぎるキスは情欲を呼ぶ。
お互いの股間は痛いほどに張り詰め昂ぶっていた。
抱かれたい。抱いてほしい。抱きたい。
俺を…その愛で満たしてほしい…
「斗真…一緒にヌくぞ…」
掠れた声でささやくと、希が俺のジッパーを下ろし、中から脈打つ楔を取り出した。
恥ずかしながら先端から零れる愛液で、ぐっしょりと濡れそぼっている。
次に焦るように自分のジッパーを下ろし取り出したのは、筋が浮き出しヒクつく楔。
「…これ、ほしいんだ…挿れてくれよ…」
甘えるように強請ると
「ばかっ!滅茶苦茶我慢してるのに煽るな!
また入院したいのかっ!?」
怒鳴られて自分の体調を思い出し、ごめん と小さな声で謝った。
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