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第240話

目を潤ませたままバスルームへ向かう希を見送った。 あの甘えたは何だ?いつもの希らしくない。 あ…そうか… アイツも不安だったんだ。 守れなかったと自分を責めて、俺の身体を心配して、… やっと医者の許可が出て、俺と繋がることで、それを埋めようとしてたのか… それで(たが)が外れてしまってるんだ… 慌ててバスルームへ飛んで行った。 「…希?入るぞ?」 ガチャッ 「斗真?どうして?」 「思いっ切りお前を甘やかしてやりたくなった。 おいで、希。」 くしゃっと顔を歪めた希が抱きついてきた。 「…斗真…斗真…」 「はいはい。俺はここにいるよ。 さ、背中流してやるから。」 「斗真、斗真ぁ…」 「わかったってば。はい、ここに座って。」 ふわふわに泡立てたスポンジでお互いに身体を洗い、がしがしと頭を洗い合う。 どさくさに紛れて、後孔も中を掻き出されてしっかりと洗われた。 希だけじゃなく、俺も泡だらけになっていた。 子供の頃、遊んだみたいに髪の毛を逆立ててツノのようにしてみたり、胸を盛り上げておっぱいのようにしてみたり。アソコにも盛り上げてどっちが大きいか比べたり。 あまりのバカさ加減に、おかしくって腹を抱えて笑った。 散々遊んだ挙句、浴槽に飛び込んで壁も天井も水浸しにした。 ぽたぽたと落ちてくる水滴に首をすくめながら 「どうすんだよ、これ。 希…お前、明日掃除当番決定な。」 「うへぇ…お前だって同罪じゃん。」 「俺は病み上がりだからな。」 「何だよ。こんな時ばっかり。」 くすくす笑いながらじゃれ合うのがうれしい。 「希…」 「ん?」 「愛してるよ。」 「知ってる。」 ちゅっ。 ふふっ。俺も大概甘いな…

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