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第241話
手を繋いで脱衣所に出て、希の身体を拭いてやる。
髪も乾かすと、ふわふわの柔らかい髪の毛が俺の手に絡まってくる。
「斗真…お前に触れるところ、全部気持ちイイ…」
うっとりと俺に よし掛かって笑う希がかわいくて仕方がない。
「全く…何甘えてんだよ。お前、何才だ?」
憎まれ口を叩きながら、俺も後ろから抱きついて、キスをする。
しばらくそのままでイチャイチャしていたが、かなりハードな『運動』で、流石にお腹が空いてきた。
「お腹空いたな…さぁ、晩飯にするか!」
また手を繋いでキッチンへ移動する。
俺達二人っきりだから、イチャつこうが、何しようが平気だ。
甘ったるい空気が漂う部屋で、冷蔵庫を漁って在庫整理を兼ねた炒め物と、昨日の残り物とで晩飯を済ませる。
片付けを終えた後は、つまみのチーズとポテチで秘蔵のワインを開ける。
カチリと合わせたワイングラスは、とっておきのバカラ。
「仕事も休みで、斗真と一日中いちゃつけて…贅沢だよな…」
「全くだよ。今月、給料ないかもな。」
「人生長いんだ。偶にはこんなこともあるさ。
それに、契約くらいすぐに取ってくるから。」
「おおっ、流石チーフ!頼もしい。」
「なーに言ってんだよ!お前も取れるだろ?
って言うか取ってこいよ。」
「うわっ、鬼チーフ!」
軽口を叩いて笑っていたが、ふとアイツを思い出した。
「…なぁ、希…」
「何だ?」
「アイツ…矢田の処分って、どうなったのかな…」
「…何だよ。今そんなこと言わなくたって。
忘れろ。」
「でも…」
「いいから、忘れろ!」
マズい…怒らせた!?
希の目の色が変わってる。
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