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第243話
希にも聞いてもらおうとスピーカーに切り替えてたから、結衣さんの興奮ぶりは丸聞こえだった。
…引くわ、俺…
「…すげぇ…翔兄の嫁さん?
あの式場を紹介してくれた人だろ?」
「…うん…翔兄に俺達のこと話した時に『寧ろ、好物かも』って笑ってたから…
プレゼントって…何だろう…嫌な予感しかしない…」
「…まぁ、頼もしい味方ができたということで…
あ、俺も親父達に連絡しておく。海外だから、来ないと思うけど。
俺の身内は誰も出席できなくて、ごめん…」
「そんなこと!気にするなよ。
俺ん家はみんな希の家族だから。それでいいじゃないか。」
「斗真…」
近付いていく唇。
触れ合う寸前、着信音が鳴り響いた。
もう、誰だよ…俊兄!?
「もしもし?」
「おー、斗真!今聞いたぞー!
みんな絶対行くからな!
母さんも、うちんのも、結衣ちゃんも、留袖かドレスかってはしゃぎ回ってるぞー!
子供達も大騒ぎさ。
希にもよろしく伝えてくれ!
じゃあなー!」
プッ プーップーップーッ
これまた一方的に言いたいことを言って、勝手に切られた。
全くうちの家族は何なんだ!?
横で希が腹を抱えて大笑いしている。
「…あー、腹痛ぇ…お前ん家、サイコー!」
「…こんなんで…ごめん。」
「『こんなん』サイコー!!」
俺も呆れを通り越しておかしくなって、二人で転げ回って一頻り笑った後…
どちらからともなく近付いた唇が重なり、濃厚なキスが始まった。
ちゅくっ、ちゅくっ と脳内に響く甘い音。
キスだけでイきそうな、希のテクに翻弄されて、息も絶え絶えになる俺。
ヤバい。これ以上は…
さっきもしたばかりで、もう、無理だ…
身体に火が付いてしまう前に、止めなければ…
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