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第251話

「なぁ、斗真。」 「ん?」 「俺さぁ、今までお前に会える日を夢見て、我武者羅(がむしゃら)に突っ走ってきたんだ。」 「うん。ものすごい努力してきたのは…聞いた。」 「だから、立ち止まって何も考えないでいる時間って、想像できなかった。 今、想いが叶って、こうしてお前の側にいて、ゆったりと流れていく時間が、途轍もなく愛おしいんだ。 何も言わなくても、お前がいてくれれば…」 「希…俺を見つけてくれて、ありがとう。」 「ずっと、ずっと側にいて。」 「嫌だって言っても離れてやらない。 側にいろ、希。」 「何だ、斗真。偉そうじゃん。」 「嫁の尻に敷かれた方がいいんだよ。」 「ははっ…そういうことにしといてやるよ。」 突然顎を掴まれ肩を抱かれ、噛み付くようにキスされた。 角度を変え、何度も、何度も。 その時、俺の携帯から着信音が… 「ラ◯ン?後でいいだろ?」 「ん…ちょっと待って…」 そっと希の身体を押して離れると…流石に希は不機嫌な顔をしていたが…画面を見ると、遥さんからだった。 ???何だろう??? 『こんにちは。先日もお越し下さりありがとうございました。 お仕事中だと思い、こちらからの連絡で失礼致します。 影山亜美様と結衣様、お二人からのプレゼントとしてブライダルエステコースのご予約を頂きました。 斗真様のご都合の良い日時を押さえたいと思います。 ご連絡してもよいお時間をお知らせ下さい。 こちらから改めてご連絡させていただきます。 どうぞよろしくお願い致します。 l’espoir (レスポワール) 橘 遥』 読んだ途端固まった。 その様子を見て、希が携帯を引っ手繰るようにして読み終えると 「何だこれ? 『ブライダルエステコース』!? 斗真が? あはははっ!…やるなぁ、義姉さん達… プレゼントって、これかぁ…」

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