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第252話

「…笑いごとじゃないぞ、希…」 「くっくっくっ…だって…お前がエステだなんて… ん?俺にも着信?」 うっわぁーーーーー!!!!! 固まる希の携帯を今度は俺が引っ手繰る。 「ぎゃはははっ!!!何だよ、これっ!!!」 希のラ◯ンにも、同じ内容が。 義姉さん達、張り切りやがったな。 俺たち二人とも男なんですけど。エステなんて、どーよ。 腐の人の考えはわからない… 「…どうする?これ…」 「…遥さんに聞いてみよう…」 珍しくおたおたしながら、希が遥さんへ連絡する。 プルルルルル…プルルルルル… 「はい、橘です。」 「あ、お世話になります、遠藤です。」 「こんにちは。こちらこそ!わざわざお電話いただいてすみません。 今のラ◯ンの件ですよね? 掛け直しますので、一旦お電話切らせていただきますね。」 「あ、もしもし、橘です。 お忙しいところ申し訳ありませんでした。 びっくりなさったでしょう?」 「ええ。一体どういう…」 「お義姉様お二人の、たってのご希望なんで す。 私達も『ご本人にお聞きしてから』とお伝えしたのですが、『どうしても』と仰って… 『サプライズで二人ともピカピカに磨いて式に臨ませたい』とのことで。 事後承諾みたいな形になって、本当に申し訳ございません… メンズエステですので、女性のように脱毛とかはしませんが、リンパマッサージとか、簡単なものをさせていただきます。 詳しいことは金曜日にご説明致しますね。」 俺達のいないところで勝手に進んでいた話に、気の毒そうな遥さんの声。 あの二人なら、ゴリ押しで遥さん達に頼み込みそうだ。

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