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第270話

取り敢えず、ボスには入籍の報告をしようということになり、時間を見計らって電話をかけた。 「Ciao!希!元気にしてるかい? 君のamore(アモーレ)の具合はどうだ?」 「Ciao!ボス!ご迷惑をお掛けしてて申し訳ありません。 斗真はもう大丈夫です。」 「そうか、それなら安心だ。 じゃあ来週から出てこれるね? まぁ、しばらく無理はしなくてもいいけれど、しっかり働いてもらうからね〜」 「もう大丈夫です。月曜日からバリバリ働きますよ。 ところで今、お時間いいですか?」 「あぁ、大丈夫だ。何かあったのか?」 「実は…俺達、今日入籍しました。取り急ぎ電話でご報告をと思いまして…」 「che sorpresa(ケ ソルプレーザ/やったな)!!! おめでとう!希!斗真! あぁ…何てうれしいんだ…よかった、本当によかった… これでもう、誰が何と言おうと君達は正真正銘の夫夫だからね! それで、新婚旅行はどうするんだい?」 「あまりにも休みすぎてるので、それは後日に…と思ってます。」 「そうか…じゃあ、その時にまた考慮しよう。 決まったら相談においで。 元気になったとはいえ、病み上がりだから、斗真にも無理しないように伝えてくれないか? 今夜は美味い酒が飲めそうだよ。 では月曜日に私のところへ顔を出してくれ。 Ciao!」 「だってさ!ボス、ご機嫌だった。 『病み上がりだから無理しないように』ってさ。」 「うん。聞こえてたよ。 来週から頑張らないとな…」 「なぁ、斗真。」 「ん?どうした?」 希が申し訳なさそうに、小さな声で切り出した。

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