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第274話

今日も朝からいい天気だ。 昨夜いろんなモノで どろどろにしたシーツと布団カバーを引っぺがし、洗濯機に放り込んだ。 まだ腰がダルい。 あの野郎、手加減なしでヤりやがって。 それに乗る俺も俺なんだけど。 でもまあ“新婚さん”だから仕方がないか… 「おーい、斗真ぁー、ご飯できたぞー」 ダルさの根源が呼びに来た。 一体だれのせいだと思ってんだ? 痛む腰を摩りながらキッチンへ行くと、焼魚と味噌汁のいい匂いがしていた。 「おっ、美味そう!」 「今朝は小松菜と油揚げの味噌汁だよ。お代わりもあるからね! 斗真…夕べも無理させたな…ごめん。」 「ホントだよ…腰、痛ってぇし。」 「後で湿布貼ってあげるから…ごめんね。」 ペロリと舌を出す希は、本当に悪いなんて思ってないから。 ワザと膨れた顔をすると、唇にキス。 キス一つで誤魔化そうなんて… それに懐柔される俺は単純バカ。 「さ、食べよう!片付けたら出かけなきゃ!」 そうだ。膨れてる暇なんかない。 今日で結婚式の詳細を詰めて決めてこなければならないんだった。 慌てて腹に収め、お代わりもしっかり忘れずに。 洗濯物を干している間に、希に掃除機を頼んだ。 バタバタと片付けを済ませ、慌ただしいまま着替えて、何とか時間に間に合うように家を出た。 「せめてあと20分、早く起きなきゃダメだったのに… 誰のせいだ、希?」 「うん、俺のせいだろ? 仕方ないじゃん、斗真がかわいすぎてさ。 あんあん啼くから…痛っ!もう…悪かったってば…ごめんって…」 「言葉に出すなって。メッチャ恥ずかしいだろ…」 「俺達二人だけしかいないんだから、いいじゃん。」 「そういう問題じゃないっ!デリカシーのない奴め。」 ぷんぷんに膨れた俺と、ニヤついた希。

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