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第278話
着替えてから冷静になり、ちょっと恥ずかしい思いで部屋に戻ると、コーヒーを出してもらった。
香ばしい香りに癒される。
一口飲んでホッと一息ついたところで、隼人さんが
「お衣装も決まったようで良かったです。
お二人ともモデルのようで本当に素敵でした。」
「『馬子にも衣装』ですよ。
でも斗真…素敵だった…」
「希だって…はっ…コホン。
ところで当日、俺達はどうすればいいのですか?」
「大体1時間前に控室に入っていただきます。お仕事の都合でどうしても…ということもあると思いますので、最低でも30分前にはお越し下さい。
着替えていただかなくてはならないですからね。
万が一の時にはお電話下さい。
代表電話でも直接私達どちらかでも結構です。
ご到着までお待ちしてますから。
さて、祭壇とブーケはどんな感じに致しましょう?例えば色とか、お好みの花とか?」
「はい、わかりました。
祭壇の花はカサブランカを中心に白でまとめてほしいんです。
斗真のブーケも白で…少し長めで。」
「このような感じでしょうか?」
隼人さんが何枚もの写真を見せてくれた。
「「あ、これっ!」」
二人同時に指差したのは、長いカラーを中心にカサブランカとバラ、丸いポンポンみたいな花とアイビーが程よく垂れ下がったものだった。
俺達は顔を見合わせて“やっぱりな”とお互いでドヤ顔をしていた。
希と同じだった…それだけでうれしい。
「ブーケは斗真が選びなよ。」
いろいろと悩んだけれど、色は全て白で、バラとガーベラとカーネーション、それに何かグリーンを添えてほしいと頼んだ。
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