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第282話
「何だか今からドキドキする…
希、俺が途中で転んだら起こしに来てくれよ。」
「あははっ!そのまま姫抱きで運んでやるよ!
あ、そうだ!遥さん、リングガールに何かお礼をしたいのですが、何がいいですかね?
お金…というのも何だか…」
「そのお気持ちだけで結構ですよ。」
「でも…俺達に立ち会ってくれる貴重な存在だから…なぁ、斗真。」
「うん。さっきから考えてるんだけど、何か形に残る物がいいかなって。
女の子の好きそうな物なら…今流行りの変身もので、魔法の使えるお姫様になるやつ、あんな感じで…」
「そうだ!ティアラはどうかな?
キラキラしてちょっとゴージャスな感じ!」
「おおっ、希、冴えてるな!
遥さん、何か良さそうな物ありませんかね?」
「ありがとうございます!すごく喜ぶと思いますよ。
何しろ、ドレスを選ぶだけでも大興奮で大騒ぎなので…ふふっ。
それではいくつかお待ちしましょう。
少々お待ちいただけますか?
その間に、ご家族との神前式の打ち合わせをオーナーとお願いできますか?」
「はいっ!」
遥さんと入れ替わりで隼人さんがやって来た。
こちらはあっさりと決まってしまった。
参列者の確認。
これは俺の身内だけだから、新郎側に俊兄の家族に座ってもらうことにした。
式の後の食事。
『みんなに美味しい物を食べてもらいたい』と希が言ってくれて、フレンチのコースを選んだ。
衣装はさっきのスーツと一緒に選んだシンプルな羽織袴。
程なくして遥さんがトレーに乗せたティアラを持ってきてくれた。
「全て子供用の新しいものです。
お値段も手頃で…いろいろ種類もあるんですが、これなんかいかがですか?」
こちらも即決。
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