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第293話

希は俺の頬を撫でながら俺を気遣う。 「斗真…痛いのか?お前、泣いてる… やっぱいきなりはキツかったんだろ? ごめんな…優しく抱いてやろうと思ってたんだけど…」 「…痛くない。気持ちよくて…死にそうだ。 お前のが熱くて、愛おしくて…」 「斗真…愛してるよ。 俺のために、あの人と会ってくれてありがとう。 もう…もう大丈夫だから。」 肩甲骨の窪みに無数のキスが落とされる。 時折吸い付かれ圧迫感があるのは、赤い印を残しているのだろう。 挿入されたままの背中へのキスは、気持ちよ過ぎる。見えないから余計に想像を掻き立てて、頭がぶっ飛びそうだ。 思わず零れる喘ぎ声は、俺の声だと認めたくはないけれど、希が『かわいいから聞かせろ』と口元を隠す両手を外してしまうから、思うがままに声を上げる。 いつもより体温の高い希の身体に包まれて、いつもより熱い楔を打ち付けられて、身体がバラバラになりそうな、それでいて ふわふわと浮いてしまうような おかしな感覚に取り憑かれていた。 体内を暴れ狂う剛直の楔は、俺のイイところばかりを責めてきて、お腹の奥から全身へ痙攣が起きそうな快感が電気のように這いずり回っている。 「くっ…はっ…希…」 「ふうっ…斗真?気持ちイイ?」 「あっ!希…それダメっ…ああっ…くうっ」 「斗真、もっと、もっと乱れてイイよ…俺も…すっげぇ気持ちイイ… お前ん中、吸い付いて離してくれない。 俺のこと『好きだ、好きだ』って言ってる。」 「…ふうっ、だって、だって、好きだから… うわぁっ、希!大きくすんなって!」 「無理。お前が悪い。」

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