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第294話

むくむくと俺の中で重量を増した希は、しばらく俺の中を味わうように、じっと腰を動かさず、その代わりに腕をそっと胸に伸ばしてきた。 既にコリコリに尖りきっていた乳首は、更に爪で弾かれ、執拗に摘まみ上げられ、その痺れるような疼きに耐えられず、腕の力が抜けて顔をシーツに擦り付けて悶えてしまう。 いつの間にか、ただの飾りがこんな性感帯になってしまっている。 いやいやと首を振る俺の反応に気を良くしたのか、希は濡れそぼった俺自身を握り込んだ。 びくりと背中を反らした俺は、これから与えられる快楽に心踊り、自然と腰を揺らしていた。 希がゆっくりと上下に手を動かし始めた。 先走りで ぐっしょりと濡れた竿は、いやらしい雄の匂いを放っている。 「ふふっ…斗真のココ、すっげぇヤラシイな。 もう、ぐしょぐしょじゃないか。」 「う、うるさいっ!そんなこと言うなよっ! ああっ!」 希が親指で、先端の穴をぐりっと抉った。 たったそれだけで目の前に星が飛び、俺は自分が射精したことを知った。 はぁはぁと荒い息を吐き、必死で呼吸を整える。 背中に被さったままの希は、その後も俺の乳首を弄り、萎えかけた俺自身を(しご)いたりと、やりたい放題だった。 そんな希の愛撫にいちいち反応してしまう俺はお返しとばかりに、後孔に力を込めて締め付けた。 「あっ」 希は何とも情けない声を出した。 そして俺の腹の中が、じんわりと温かくなり、希が達したのがわかった。 「おい、斗真!イっちまったじゃん! くそっ…やられた…」 「これでおあいこだな。」 どちらからともなく笑い出し、その振動でまたお互いが震え大きくなってきた。

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