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第297話
身体の奥がずっと甘い痺れを伴いながら痙攣を起こしているようで、ぶるぶると震えが止まらない。
どこもかしこも感じて頭がおかしくなりそうだ。
奥の奥の限界まで希を受け入れて、胸の奥から湧き起こる悔しくて口惜しい気持ちで告げた
『本当に俺が女なら、間違いなく希の子供を孕んでやるのに』
と、思わず零れ落ちた言葉に、希は
『斗真がいいんだ。斗真しかいらない。』
とだけ告げ、ますますストライドを大きくしていく。
この男は俺を狂わすことしか考えていないのか。
その名の通りお前が望むのなら、俺はこのまま狂ってしまってもいい。
世間に蔑まれても後ろ指を指されても、ひたすらにお前だけを求めて狂ってやろう。
快楽に堕ち空を飛べなくても、お前だけを慕い愛し続ける…
「ああっ、もう…希っ、あーっ!」
「斗真っ、斗真っ、斗真ぁっ!」
指を絡ませ握りしめた手に力が入り、俺の嬌声が響く部屋で、二人同時に果て、俺は目の前に飛ぶ星が見えた瞬間意識が朦朧としていた。
身体にのし掛かる重みで、希が荒い息を吐いて俺の横に倒れ込んできたのがわかった。
指を絡めたままで。
滴る汗と熱気と吐き出した欲の匂いで満たされた俺達は、しばらく無言で息を整えていた。
希が指を離し、汗で濡れた俺の髪の毛を撫でながら言った。
「…斗真、ごめん…大丈夫か?」
「…うん…何とか…意識はあるけど、身体が動かない…」
「ごめん。でも、お前がほしくて止まらなかったから。」
「うん。わかってる。
俺も滅茶苦茶に…抱いてほしかったからいいんだ。」
「斗真…マジで抱き潰したかも…
明日寝ててもいいからな。」
「ふふっ。じゃあ、そうしようかな。」
くすくすと笑う希はスッキリとした顔で。
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