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第298話
お母さんのことが解決して、希の中のわだかまりがやっと消えたのか…
俺を『アイシテル』と言いながらも、どこかに何かが引っかかっていたような希の抱き方が…変わった…
『何が?』と聞かれても上手く言葉にできない。
感覚的なものだから。
今日は、心から本当に抱き合えた…と、思う。
「キスマーク…胸元に付けたかったんだけど、最後の理性を振り絞って耐えたんだ…褒めてくれよ。」
「偉い偉い。希はお利口さんだな。
…いや…ちょっと待て…
希、一応確認するけど、お前背中に付けてないよな?
何か、キスされた時に感触が…
エステの時に見られたら俺、速攻帰るぞ。
結婚式もキャンセルする…かも。
無理だ。何が最後の理性だよっ!誰が褒めるかって!」
「うーん、付けちゃったけど、何日かしたら消えちゃうよ。心配いらない。
加減して付けたから。えへっ。
撫でてほしかったんだけどな…仕方ないか…」
そう言って、頬にちゅっとキスすると、部屋を出て行った。
付けたのかよっ!
何が『えへっ』だよっ!
ばかっ!
程なくして洗面器とタオルを持って戻ってきた希が、優しく壊れ物を扱うように、俺の身体を拭いてくれる。
「ココも綺麗にしとかないとな。」
と俺が動けないのをいいことに、念入りに後孔に指を入れて掻き出してくる。
ごぷごぷと、体内から溢れる量は半端なくて、ちょっと感じながらも、一体どれだけ出したのかと呆れながら希を見ると
「いっぱい出たな。
斗真を愛してる証拠だ。」
なんて呑気に笑っている。
「ばか。すけべ。」
キスマークを付けられて悪態をつきながらも、俺は心から抱き合えたことがうれしくて口元が綻ぶのを止めることはできなかった。
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