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第304話

緊張しながら迎えた当日。 俺達は約束の時間より15分早く到着し、時間まで車内で待とうとしていたところへ、遥さんがやってきた。 「おはようございます!お待ちしてました。 ようこそお越しくださいました。 さあ、どうぞ。」 「「おはようございます。お世話になります。」」 ドキドキしながら案内された部屋は、仄暗くこじんまりとして、壁や家具はベージュ、小物類は深いブラウンで、落ち着いた雰囲気に統一されていた。 焚かれているのはお香? 少し甘い香りがする。全く嫌な感じじゃない。 俺は好きだな。希は? ちらりと横を見ると、流石の俺様希様も少々緊張しているようだ。 女性が二人、出迎えてくれた。 やっぱ女性か。 スッキリした顔立ちで、いかにも“エステティシャン”って感じだな。 「おはようございます。ようこそお越し下さいました。 施術させていただきます、白川と古村と申します。よろしくお願い致します。」 「あ、「 よろしくお願い致します。」」 「さあ、こちらへどうぞ。 簡単に今日の流れと内容をご説明させていただきますね。 まず お着替えはそちらのお部屋でお願い致します。 籠の中に紙の下着がありますので、そちらに履き替えていただいて、バスローブを羽織ってこちらにいらして下さい。」 言われるがまま希と部屋に入り、渋々真っ裸になると、用意されていた紙のトランクスに履き替えバスローブを羽織って遥さんの待つ元の部屋へ戻った。 「では早速ですが、希様は右側、斗真様は左側へ。 こちらに仰向けで…はい、そうです。 まずはお顔のクレンジングから…その後シェービングを致します。 最後に全身のリンパマッサージをして終了となります。 ここは触ってほしくないとか、ここまででいいとか、ご希望ございませんか?」

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