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第306話

…いかがされますか?余りに気持ちよさそうにお休みになってらっしゃるので、起こすのが申し訳なくて… …あぁ…爆睡?ははっ。 大丈夫ですよ。ひっくり返せばいいんですよね? よっ…と。こりゃあ、終わるまで起きないな、きっと。 …きっとお疲れなのと、かなり緊張してらっしゃったので、リラックスしていただこうと私も頑張りました!ふふっ。 …すみません、迷惑かけて。続けて下さい。 …はい。承知致しました。 希?…と白川さん…? ぼんやりした頭に入ってくる会話。 身体は何か薬でも盛られたかのように動かない。 うー…と唸りながら、また俺の意識はゆっくりと消えていった。 「…ぅま、斗真…おい、斗真、起きろ。」 優しく揺さぶられて、次第に覚醒する。 「…ん…ここどこ?今何時?」 「何寝ぼけてんだ…。しっかし よく寝てたな… エステ終わったの!今11時!」 「…あ…」 着替えを済ませた希が笑っている。 俺はバスローブの上からタオルケットを掛けられていた。 「起きれるか?寝顔もかわいかったぞ、斗真。」 ちゅっ と頬にキスされた。 「ばっ、ばかっ!誰かいたら」 「誰もいない。俺達だけだよ。さ、着替えなよ。 あー、気持ちよかったな。 お前がこんなに爆睡するなんて。義姉さん達に感謝しなくちゃ。後で電話しような。」 くすくすと笑う希に起こされて、なんだよー、もう、とぶつぶつ言いながら更衣室へ行った。 着替え終わり部屋を出ると、白石さんが 「お疲れ様でした。ご気分はいかがですか? あちらの部屋にお飲物を用意してますのでどうぞ。 リンパマッサージの後には水分補給が必要ですので…」 「あ、はい。ありがとうございます。 気持ちよくって爆睡してしまって…」 「そうおっしゃっていただけるのが一番うれしいです!ありがとうございました!」

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