329 / 1000

第329話

着替え終わった希は…まるでモデルのようで、思わず はぁっとため息が出た。 「希、カッコいい…すっごく似合ってる…」 「斗真こそ…ますます惚れ直したよ…ヤバい…このまま押し倒したい…」 「まっ、待て!それは嫌だ!」 ずんずん迫ってくる希を押し返し、二人で鏡の前に並んで立った。 おおっ、希もイケてるけど、俺も結構いいじゃんか! 「ふふっ…何かもう…恥ずかしいけど…あぁ… 俺達、結婚式挙げるんだな…」 「そうだよ。あのチャペルで二人の愛を誓うんだ。 あぁ…また緊張してきたぁ…」 その時、ノックの音がした。 「はい、どうぞ」 「失礼致します。」 入ってきたのは遥さんだった。 「うわぁーっ、お二人とも素敵です! よくお似合いですよ。 うんうん、いいですねぇ…」 「ありがとうございますっ。 何だか恥ずかしいですけど…なぁ、斗真。」 「うん。さっきから緊張しちゃって…」 「大丈夫ですよ!イケメンオーラがハンパないです! あ!そうそう、今日お手伝いしてくれるリングガールのご挨拶に来たんですよ。 凛ちゃん、こっちへ。」 「ほんじつは、おめでとうございますっ! りんぐがーるをつとめさせていただきます、あいさわ りん です! どうぞよろしくおねがいいたします。」 ブルーのドレスに身を包んだ女の子がぺこりと頭を下げた。 すっげぇキュート! 大きな目をクリクリさせて、にっこりと笑うこの子は役者か? それにその挨拶、大人顔負け! 「こちらこそ、どうぞよろしくお願い致します! 俺は遠藤 希、こっちがパートナーの斗真。 俺達の式のお手伝い、頼むね!」 「凛ちゃん、どうぞよろしく! 希…あれを…」 「あぁ。 凛ちゃん、これは俺達からのプレゼント。 使ってくれたらうれしいんだけど。」

ともだちにシェアしよう!