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第346話
希が擦る度に、にちゃぬちゃ という何とも聞くに堪えない音が響いて
「…くっ…希…その音、嫌だっ…」
「いいじゃん。斗真が俺をほしがる音だぜ?
少し触っただけでこんなになっちゃって…お前、どんだけ俺のこと愛してんの?」
ほら…とワザと聞こえるように手を動かすもんだから、もう、感じ過ぎて腰が少しずつ揺れ始める。
小さな下着に詰め込まれた俺自身は、希の手淫ではち切れそうに大きくなり、それでも伸縮性のあるその布の中で、飛び出しもせず薄い布の中で形を変え、目一杯主張していた。
「ふふっ…斗真、かわいいなぁ…こっちはどうかな?」
きゅうっと後ろの紐を引っ張られて、ヒクついていた後孔が刺激を受けて、身体がぴくんと跳ねた。
「んあっ!バカっ、希っ!止めろよっ!」
止めろと言っても止める相手ではない。
紐をゆるゆると上下に擦り、俺の反応を楽しんでいるようだ。
「バカっ!意地悪するなよ…ちゃんと、ちゃんと俺を愛せよっ!」
堪らず涙声で訴えると、途端に真顔になって
「お前の泣き顔にそそられる。」
と訳のわからないことを呟いてキスしてきた。
侵入してきた舌が熱い。
追いかけっこをするように舌先を絡め取られ、零れ落ちる唾液を気にするそぶりもなく、口内を蹂躙される。
息をつく間も無く、角度を変えては嬲られ、キスだけで熱を放出しそうになっていた。
希は、ふっ と唇から離れると、俺の前髪を掻き上げ撫で付け
「何があっても離してやらない。
ずっと俺の側にいろ。」
「いてやってもいいけど…意地悪するなら考える。」
「とぉーまぁー…優しくするからぁ…」
「うるさい。俺様バカ希。」
拗ねたフリをして横を向いた。
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