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第348話
「もっとイかせてやる。今夜のことを忘れないように…」
狙いをすませ喉仏にぴったりと唇を当てた希は、きゅっと吸い付いた。
そんなとこ…シャツから丸見えじゃないか。
しばらく消えないんだから、加減しろよ。
唇があちこちに移動していく。
無数の圧迫感を感じ、ちらりと下を見ると、濃く赤い斑点が散りゆく花のように散らばっていた。
足先までいくと、横にされ足を折り曲げられて、身体の裏側も吸い付かれた。
全く…また全身虫刺されにするつもりなのか。唇使い過ぎて腫れるぞ。
どれだけ所有のシルシを主張するつもりなんだ。
もう、呆れて物も言えない。
あっ…そこは止めろよ。擽ったい…
キスの合間に這わされる舌先が敏感になった肌を刺激する。
「ふぅん…」
鼻に抜ける甘ったるい声が出てしまった。
俺の背骨を人差し指でなぞりながら
「ココ… 気持ちイイよね?触ったら斗真の力が抜けてくよ…」
そう言って、何度も何度も上下に指をなぞらせる。しつこいくらいに。
「希っ…おまっ…もう、しつこいっ!」
「だって…斗真が感じるトコ、全部触りたい。
お前は俺のものだって証明したい。」
「証明も何も…希だけのものだって言ってるじゃないか…」
「うん、だから…俺を感じて…」
一瞬の隙を突いて、希を組み敷いた。
「ふっ…形勢逆転…俺はただの大人しい嫁じゃないからな…俺にもヤらせろ。」
お返しとばかりに喉元にしゃぶりついた。
いきなりの俺の反撃に希は身体を仰け反らせたが
「お手並み拝見といこうか」
なんて言いやがった。
くっそー!
絶対、俺の口でイかせてやるっ!
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