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第350話
希はうれしそうに俺の頬を撫で
「ココ、ちゃんと準備してくれてたんだな…
下着といい、身体といい…斗真、お前、何ていじらしいんだ…」
はふはふと犬のように口を開け、空気を取り込む俺は
「頼むからっ!優しく、優しくしてくれよっ!
俺…俺…んっ」
俺の言葉をキスで塞いだ希は、ゆっくりと唇を離すと
「…わかってる…でも、お前がサイコーにいじらしくて健気で、虐めたくなる…
でも、お望み通り、“優しく”抱くよ…斗真、愛してる…」
じゅるっと音を立てて指を引き抜くと、猛った楔をごりごりと擦り付け始めた。
さり気なく取り出したローションで再び濡らされ、ワザと表面だけ弄られて、もどかしさが募る。
中に入れてくれない意地悪さに腰が揺れる。
ハヤク
ハヤクイレロヨ
声は出さないが、唇の動きを読んだのか、希はしてやったりというような表情で
「入れるよ」
とひと言言って、濡れた切っ先で入口をぬちゅぬちゅと擦り付けた。
あぁ…クル…愛する男の剛直が…
ふっと身体の力を抜いたその時を狙って、希がくぷりと差し入れてきた。
「くっ」
この瞬間はやはり慣れないが、この身体の一部で今からどれだけ啼かされるのか…期待でゾクゾクする。
ぐちゅぐちゅと音を立てながら、少しずつ打ち込んでくる侵入者は熱くて気持ちよくて、そこに意識が集中し、思わず力が入ってしまう。
「くっ…斗真っ、食い千切られる…力抜いて…」
「そんなこと言っても…あっ…」
堪り兼ねた希が、俺自身を握ってきた。
男の急所を触られると流石に弱い。
先走りで濡れたそれをゆるゆると扱かれて脱力してしまう。
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